DIME MAGAZINE
「脳内トーク」は音量やトーン、スピードも重要
ここまで、「脳内トーク」の「言葉」について解説してきましたが、「脳内トーク」は話す言葉（内容）だけでなく、次の3つの要素も重要です。
① 「脳内トーク」の音の大きさ（大きい～小さい）
② 「脳内トーク」の音の高さ／トーン（高い～低い）
③ 「脳内トーク」の音のスピード（速い～ゆっくり）
普段、あなたが脳の中で発している「脳内トーク」の声の大きさは、大きいイメージでしょうか。それとも小さい声のイメージでしょうか。それとも中間でしょうか。
音の高さはどうでしょうか。低い声ですか。高い声ですか。
話すスピードはどうでしょうか。
実は、これらは個人や場面によってまったく異なっています。
たとえば、1人でいるときと、仕事をしているとき、ゲームをしているとき、本を読んでいるとき、商談をしているとき、お風呂に入っているとき、食事をしているときなど、それぞれの場面で違うのです。
また、うまくいく分野とうまくかない分野とでも違います。たとえば、仕事でうまくいっている分野や幸せを感じているとき、あなたの「脳内トーク」はどのような声（音の大きさ・高さ・スピード）になっているでしょうか。
そして、うまくいかない分野や苦手意識がある分野では、どんな「脳内トーク」になっているでしょうか。
私が見てきた限りでは、うまくいかない分野で使っている「脳内トーク」は、そのほとんどが、うまくいく分野の「脳内トーク」とは、すべてが異なることが多いのです。
さらに面白いことに、うまくいかない分野での「脳内トーク」を、3つの要素（もしくはいずれか）で変えてみるだけで、「脳内トーク」のパワーが変わってしまうんです。
たとえば、仕事がうまくいかず落ち込んでいるときに、このような「脳内トーク」をしているとします。
「なんで、自分はいつもうまくいかないんだろう？」
（音は小さい、トーンは低め、スピードは普通）
そんなときは、「脳内トーク」を次のようにしてみてください。
〔音の大きさ〕 ↓ 大きくする
〔声のトーン〕 ↓ 高くしてみる
〔声のスピード〕 ↓ ゆっくりにしてみる
すると、どうでしょうか。
「なあんでえー、自分はーうーまーくーいかーなーいんだーろー？」
一見、変に感じるかもしれませんが、これだけで実はうまくいかないことへのとらえ方が変わりはじめています（もちろん変化には個人差があります）。
☆ ☆ ☆
いかがでしたでしょうか？ 成功者と呼ばれる人たちは、「脳内トーク」を意識的に活用しています。「脳内トーク」を使って、脳をよい意味で騙し、自分の常識（思い込み）を打ち破る。そして、視点を増やす 。成功者たちの多くが、 「脳内トーク」を活用して、自分を変えてきた人たちなのです。
「人生を変えるためには、大きなことをしなければならない」 、多くの人がそんな常識を信じています。しかし、研究からわかったことは、私たちは大きなことをする必要はないということでした。日々の小さなことが、物事のとらえ方や行動をはじめ、能力や性格、さらには健康、習慣、パフォーマンスにまで影響を与えるということです。そして、そのベースになるのが、 「脳内トーク」なのです。
自分を変化させて、なりたい自分に近づいていくためのより詳しいヒントは「世界一やさしい自分を変える方法」をチェックしてみてください。
「世界一やさしい自分を変える方法」
著者／西 剛志
発行／株式会社アスコム
著者／西 剛志（にし・たけゆき）
東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで１万人以上に講演会を提供。エビデンスに基づいた研修、商品開発サービスなども全国に展開。テレビやメディアなどにも多数出演。著書シリーズは海外でも出版され「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」（アスコム）をはじめとして累計22万部を突破。
脳科学者 西剛志公式サイト
https://nishi-takeyuki.com
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