無人店舗のこだわりは、ストレスフリーとスキンケア中心の品揃え
無人店舗では、天井に多数のカメラと商品棚に重量センサーが設置されており、客が商品を手に取るとリアルタイムに認識する仕組みになっているという。
つまり、商品を手にしただけでレジを通したようなもの。あとは、出口付近の端末で合計金額を確認し決済するのみ。ストレスのないスマートなシステムは顧客だけでなく、企業側にも大きなメリットがある。
「有人店舗と比較してかなり固定費を抑えられた点が大きいです。スキンケア中心のラインナップに絞ったことで売上は減りましたが、店舗のランニングコストは有人店舗の4分の1程度に抑えられました」
–盗難リスクなどの対策は?
「対策についてはカメラ・センサーの設置もありますが、商業施設のため他ブランド様の有人店舗が近接している環境が抑止力となると考えております。実際にそのような被害は現状発生しておりません」
業界初の無人店舗の苦労、そして今後の挑戦とは?
実はコロナ禍において、2020年5月よりオンラインカウンセリングをいち早く始めていたオルビス。無人店舗でも同様のシステムでサービスを受けられるということは、どこよりも先に布石を打っていたのかもしれない。
しかし、それでも無人店舗までの道のりには知られざる苦労があった。
「もともと無人店舗の構想はあったものの、正直ローンチまでは時間がかかりました。理由の一つとして場所の問題があったかと思います。店前通行量や認知などを考慮し、出店場所についてはかなり吟味しましたし、難易度が高かったです」
ただ、始めてみればそんな不安も一掃。もともと直営店舗があった場所には、一定の既存顧客がそのまま継続して訪れているという。
–今後の展望、挑戦したいことがあれば教えてください
「立川の1号店の状況を確認しながら、うまくいけばここ3年で10~15店舗ほど出店したいと考えております。具体的には『直営店が単独で出店できないエリアへの出店』を検討しています」
「たとえば、未進出県やエキナカ、エキチカ、駅ファッションビルの狭小スペースなど。ありがたいことに現在既に多くの引き合いをいただいております。これからも無人店舗の強みを活かし、幅広いお客様のニーズに応えていければと思っております」
取材協力
無人の古着屋「SELFURUGI (セルフルギ)」
株式会社オルビス
文/太田ポーシャ