餃子、ラーメン、お肉など、多ジャンルの食品が無人販売店で購入できる時代になり、今年3月には全国で人気のスイーツを豊富に取り揃えた、日本初となるスイーツ専門の無人販売所【24】がオープンするなど、無人販売店戦国時代に突入している。
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コロナ禍で非接触・非対面のニーズが高まるとともに、AIカメラやセンサーなど最新テクノロジーの普及が店舗の無人化を急速に押し進めた格好だ。消費者にとっては、時間や人目を気にすることなく好きなものを気軽に買えるというメリットも無人店舗増の一因だろう。
ちなみに、今や頻繁に見かけるようになった餃子の無人店舗だが、ITツール比較サイト・STRATE[ストラテ]が、『無人販売店で餃子を買ったことがあるか?』を年代別に調査したところ30代が最も多く、週1回以上利用しているのは女性が男性の7倍という結果に。女性客に支えられている点も、人気のポイントかもしれない。
参考:https://www.value-press.com/pressrelease/297564
人件費削減やフードロス削減などの利点もあり、飲食業界がこぞって参入するビジネスモデルだが、今回は、飲食以外の無人販売店舗に注目した。新時代の無人販売ビジネスを取り上げ、売上好調の理由や今後の展望について深掘りしていく。
無人店舗に並ぶのはカジュアル古着。なぜ無人で古着を販売?
まずは、無人の古着専門店「SELFURUGI (セルフルギ)」2021年に1号店が池袋に誕生し、わずか1ヶ月で黒字化を実現した話題の無人販売店だ。
飲食業界がほとんどの無人販売に、なぜ「古着」で挑もうとしたのか?成功の秘密を探るべく合同会社AVENDの三田村さんに聞いた。
–無人の古着専門店を始めようと思ったきっかけは?
「もともとは創設者の一人がブランド古着の仕入れをしており、弊社代表の南雲と共に立ち上げたビジネスビジョンでした。古着に着目したのは、世界的にSDGsの傾向でリサイクルや古着が注目されていることや、仕入れコストも低く、無人販売にとってリスクが最小限になる要素が大きかったためです」
「また、Z世代がメインユーザーとなる古着とSNSやweb広告との親和性も高く、代表の南雲がリクルートからAmazonの経歴を持つマーケティング畑での知見があったことも大きな理由です」
–古着を取り扱うことの大きなメリットは?
「セルフルギが扱う商品単価は2000円前後で、『THE NORTH FACE』『トミーヒルフィガー』といった、人気のカジュアルブランド古着を取り扱っています。これらはハイブランドとは違い、古着の仕入れコストが低いんです」
「さらに古着は新品と違い、早く売り切らなければならないといった懸念もありません。むしろ古いものに価値が置かれ、時期を問わず通年を通し販売ができ、在庫リスクも最小限に抑えられる点にメリットがあると思います」