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購入vs賃貸、結局マイホームはどっちがお得なのか?

2023.07.09

賃貸は?

前述の通り、家を購入すると様々なデメリットがある。では、賃貸はどうだろうか。

賃貸のメリットは以下の通りだ。

①家の住み替えを臨機応変にできる。
②ローンにより教育資金や老後資金を圧迫しない
③ランニングコストがかからない

子どもがいるときにはたくさんの部屋数を必要とするが、子どもが巣立てば不要となる。賃貸なら、家族のライフスタイルに合わせ部屋数を選びながら住み替えをすることができるため、老後に不要な無駄に広い家のためにローンを返済する必要はない。

ライフスタイルに合わせて、場所や部屋数を変え、老後は介護サービスのある場所へ住み替えもできる。収入が減ればそれに応じた住み替えすればよい。

住宅ローンによる何年も払い続けなければならないという精神的負担も少ない。

一方で、賃貸にもデメリットがある。

高齢になったときの賃貸契約だ。日本ではまだまだ高齢になると、賃貸契約を結ぶことが難しいことが多い。

高齢になると、年金や預貯金の取崩で家賃を払うことから家賃の滞納の可能性が高く、孤独死となれば原状回復費用が大きくかかることから、高齢の方に貸さないとおうオーナーもいる。実際に、国土交通省の調査によれば、大家の約6割が高齢者に対して賃貸契約に対する拒否感を示している。賃貸契約を結ぶとき民間会社の家賃債務保証が必要なことが多いが、家賃債務保証の審査では60代以降になると審査に通りにくい現状がある。この家賃債務保証は賃貸契約の8割にものぼり必要とされており、この審査が通らないと実質賃貸契約が難しくなってしまう。

この現状から、国は支援を今後さらに拡充していく方向となっている。拡充する内容としては、入居後の見守り、家計管理をサポートして家賃の滞納を防ぐ等だ。今後人口が減っていき空室が増えていく可能性があるなかで、大家もきちんと対策がなされれば高齢の方にも貸したいはずだ。

民間レベルでも、貸主が貸しやすいような以下のような施策が行われている。ただ、この場合付加費用がかかる。

・身元引受人がいない場合の身元保証サービス
・ホームセキュリティサービスによる安否確認、緊急時駆けつけサービス
・健康、病気、介護サービスに関する生活相談

さらに資金が潤沢であれば、最終的にそのときの状況や同居人数に合わせた場所や大きさの終の棲家を購入するという選択肢もある。居住人数やライフスタイルが大きく変動するときは賃貸で状況に合わせて住み替え、その分貯めていた資金で老後の定住先を購入するという手もある。

でもやっぱりマイホームがほしい!

購入すると、その分借入金が生涯の支出の大部分を占めてしまい、その他への支出が制限されてしまうため、賃貸を選択肢に入れるのがおすすめだ。

ただ、そうはいっても、持ち家率は61.2%と過半数を占めており、その中でも新築(建替え含む)が47.4%、新築住宅を購入が22.5%と合計69.9%が新築で持ち家を取得しており(平成30年調査)、大多数は新築で夢のマイホームを取得したいと考えているのが実際だ。また、将来借りやすくなるようにはずだが、現状高齢となると近くで家族などのサポートがないと賃貸で済むのは難しい点もある。

そこで、新築でマイホームを取得するなら、家を購入する場合のデメリットを以下のように対策することが必要だ。

①無理のない資金計画で
②リフォーム費用を貯めておく
③中古も念頭に

安定した収入があれば銀行はお金を貸してくれるし、その本人の老後まで心配してくれる銀行はそうそうない。今後の日々かかる生活費、大型支出を想定した上で、将来の教育資金、老後資金、修繕・リフォーム費用をきちんと残せる範囲内で住宅ローンを組むべきだ。

住宅ローンを組んだ後に、定年時に多額のローンが残ってしまうと、老後資金を確保できなくなってしまう恐れがある。

そして、ローンを借りているほとんどの人が変動金利を選択しているが、将来金利が上がってもきちんと返済できるくらいの余裕があるかどうかを重々確認のうえローンは組みたい。

また、最初に借入金額を決めた上で家を見ずに、家を見てからローン金額を決めてしまうと

借入金額は大きくなってしまう可能性がある。まず、無理のない借入金額決めてから家を決めたい。

新築では予算オーバーになってしまうときは、中古住宅も検討に入れたい。

中古住宅は、基本住宅ローン減税では借入限度額が低くなり不利となっているが、買取再販住宅といって、既にリフォームされている中古住宅の場合では、省エネ基準を満たしていれば借入限度額が新築と同様に受けることができる。日本では新築が人気であることから、中古はかなり割安に購入でき、立地も良いことも多い。

(参考)

長寿社会のリアル〜住宅ローン、定年後に遠のく完済への道:日本経済新聞 (nikkei.com)
平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要 (stat.go.jp)
平成2810月国土交通省住宅局「家賃債務保証の現状」
001153371.pdf (mlit.go.jp)
朝日新聞2023627日「住宅借りづらい人、国が支援へ 入居後サポートで家主が貸しやすく」

文/大堀貴子

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