アプリの使いこなしで大化けするサウンド!
本機を聴く前は、イコライジングでそんなに音が変わるわけがないという先入観があったが、実際に試してみると効果は絶大だった。JPRiDEが主張する複数のイヤホンが手に入るというコピーも否定できない。プリセットの音はフラット指向なので、そのまま聴くと地味な音のイヤホンに思えるが、30Hzを持ち上げると振動を感じさせるほど超低域の再生能力は高い。ボーカルのなめらかな表現も得意で、イコライジングでウォームにもクールにも設定できた。これが実勢価格約9999円とはハイコスパだ。
iPhoneとの相性が良く、とことん好みの音質を追求できる。弱点はANCの効果の範囲が狭く低域のノイズはキャンセルできるが、中高域になると効果が弱まること。コーデックがSBC、AACのみの対応で、DAPで聴くと高域がややノイズっぽいと感じられることがあった。ここはもう少し高価になってもいいから、aptX Adaptive、LDAC、LHDCなどに対応して欲しかった。オーディオ好きだけでなく、DTMをやっている人にもオススメ。また、イコライザーを使いこなしたいと思っている人の教材にも最適だ。
写真・文/ゴン川野