■連載/阿部純子のトレンド探検隊
1日いても飽きない!?各フロアに見どころ満載の新生ハンズ
リニューアルオープンした「ハンズ新宿店」。今回は2~7階のハンズフロアで見つけた、@DIME読者に刺さる商品を紹介する。
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■連載/阿部純子のトレンド探検隊 カインズグループとして新生ハンズの第一歩となった「ハンズ新宿店」 6月29日に「ハンズ新宿店」がリニューアルオープンした。2~...
2階 「ちょっと先の流行、驚き、出会いがココに。」「季節を楽しみながら暮らす。」
ハンズ新宿店の入り口となる2階は、イベントスペース、バッグ、財布、切り花、ラッピング、カード、レイングッズ、季節商材を扱う。店内の意匠にも新生ハンズの想いを伝えることにこだわり、客が書いたメッセージを筒状に加工したものがフロアを飾っている。
イベントスペースで実施するのが、新しい文化の芽が見つかる「文化の芽発掘プロジェクト」。第一弾となるのが、日常に溶け込む「生活瞑想」の関連アイテムを集めたコーナーや、五感をテーマにマインドフルネスになれる商品や体験を展開する「BOTTO(没頭)」。
マインドフルネスとは、世界的なIT企業が社内研修で取り入れたことで有名になった科学的な心のトレーニング技法で「今、この瞬間」に自分が体験していることに意識を集中させて、自らの感覚や感情、思考を冷静に認識し、現実をそのままに受け入れるという心の状態を表す。
ハンズが考えるマインドフルネスのキーワードが「没頭」。「キャベツの千切り瞑想」「歯磨き瞑想」「靴磨き瞑想」「洗顔瞑想」「シンク周りお掃除瞑想」「コーヒー瞑想」など、日常の何気ない作業や、時間を忘れてのめりこむ趣味など、何かに没頭することこそがマインドフルネスへの入口だと考え、五感で楽しむBOTTO体験を提案している。
本格的な瞑想体験ができるメディテーションポットでは、無料のプチ瞑想体験会、有料の体験会を実施する(7月9日まで・共にハンズクラブ会員限定)。卵型の密閉されたポットは、ライトの色が変化するほの暗い空間で、心地よいヒーリングミュージックが流れ、ナビゲーションの声に従って瞑想体験ができる。
「FocusCalm」は抽象的な概念の「瞑想」を脳の状態を可視化することで、わかりやすく数値化してくれるデバイス。専用アプリと連動し、瞑想だけでなく、脳の活動をリアルタイムで観察しフィードバックする「ニューロフィードバックプログラム」で集中力やリラックスレベルを可視化。それらをコントロールする方法を身に着けることで、瞑想を習慣化していくことを目指す。
カード・ラッピング・バルーンのコーナーでは、輸入カードを含むカードの取扱数は約2000種で、小売店での取り扱いが初となる商品もある。華やかさを演出するバルーンは約250種と豊富なラインナップ。また、ラッピングコーディネーターがラッピング用品の選び方や包み方のアドバイスや手助けを行う。
3階 「なりたい自分になる。」
ヘルス&ビューティーを取り扱う3階では、テスターバーでのお試しコーナーが充実している。メンズケア、メンズコスメについても新たにテスターバーが登場。「コスメを試しているところを人から見られたくない」という男性も多いため、あえて柱の裏側の目立たない場所にひっそりと設置した。
「C」の柱がメンズケアのエリアで、スキンケア、ヘアケア、眉ケア、シェービング関連など商品群が充実。おすすめはハンズオリジナルブランド「muquna(ムクナ)」。LDK the Beauty “MAN”でオールインワン部門のベストバイを獲得した「オールインワインジェル状クリーム」のほか、洗顔フォーム、スプレー式で男性でも使いやすいミスト化粧品、乳液、ハンドクリーム、リップクリームのラインナップ。
ベルガモット&シダーウッドのさわやかな香り、さらりとしたテクスチャー、使う順番を数字で表記したパッケージなど、スキンケア初心者でも使いやすい仕様に。
4階 「お気に入りに出会う、見つかる。」
文具、デザインの商品群を扱う4階は、試しながら選ぶ楽しさが体験できるフロア。おすすめの筆記具をじっくり試し書きできるコーナーを新設し、人気のぺんてる製図用シャープペン全シリーズの試し書きができる。紙と筆記具との相性も感じてもらえるように、マルマンの筆記用紙を各種揃えており、ペンと紙の相性を確かめることができる。
3000円とシャープペンでは異例の高価格でありながら常に品薄状態が続いている、ぺんてる「オレンズネロ」も試し書きができる。細芯でも折れにくく、自動芯出し機構により何度もノックして芯を出す必要がないため、シャープペンで筆記することが多い学生の間で爆発的に支持されている。人気が高い「0.5 HB」も試し書きコーナーに設置。
5階 「趣味をとことん楽しむ。」
5階はバラエティ、トラベル、モバイル、ホビークラフト、グリーン、ペットの商品群。
「学ぶ×楽しむコーナー」では、電子工作キット、3Dウッドパズル、ミニチュアなど、手を使って遊びながら学ぶことができるアイテムを集めて、客が実際に手を使って体感できる。
屋外での「あそび」を楽しむコーナーでは、電動モビリティやエアテント、プロジェクター、大人から子供まで一緒に楽しめるライトスポーツなど、新しい体験ができるアクティビティギアを取り揃えている。
6階 「私らしくDIY。」
DIYツールやマテリアルを扱う6階では、ものづくりのための素材を揃えたフロア。
「つくる」「まなぶ」「ためす」をテーマにした常設のワークショップスペース「HANDS DO」。「つくる」は以前からハンズが得意としているDIY分野で、「まなぶ」は靴のお手入れ、壁の補修などを体験できる。「ためす」は洗剤でどのような落ち方をするのか、ヘアブラシの使い心地など商品を試すことができる。基本は公式サイトからの予約制だが、終日行っており、空いていれば飛び込みで参加可能なものもある。
カインズとコラボした「推し活工房」は、カインズやハンズで売っている材料を使って推しを応援するグッズを作る企画。7月は缶バッチを使って作るロゼットと、コピックマーカーを使ったアクリルコースター。アクリル板はカインズ本社でパーテーションよして使っていたものを洗浄・カットして再利用している。
7/15(土)〜17(月)はジェイソンマーク スニーカーケア講座(有料)を開催。天然由来成分のクリーナーをはじめとした「ジェイソンマーク」シリーズを使ったスニーカーのお手入れ方法を学ぶ。実際にスニーカーを洗って、使用した専用の「プレミアムマイクロファイバータオル」は持ち帰れることができる。
水につけずに泡を立てて歯磨きのようにブラシで洗う方法で、靴の中は傷めずに、外側をきれいにすることができる。自然由来の成分なので肌にも優しく、桜井悟社長をはじめハンズの中でも愛用者が多いのだとか。白いスニーカーを持っている人には特におすすめ。
ワークショップ以外の時間もこの日程でメーカー担当者が来ており、その場で洗浄の感覚を試せるアクティベーションサービスも実施する(無料)。
そのほか「HANDS DO」のスケジュールはこちらを参照。
「シューマイスター相談コーナー」では、シューケアマイスターの有資格者が靴の手入れに関する悩みや困りごとなどの相談に応じる。マイスターによるケアサービスは行っていないが、手持ちの靴を持参して相談すれば、お手入れ方法やケア商品の選び方など適切なアドバイスをしてくれる。
7階 「ひと手間かける毎日。」
キッチン、バス、トイレタリー、クリーン、ランドリー、寝具の商品群を扱うハウスウエアフロア。
一杯のコーヒーを丁寧に淹れるためのハンドドリップ関連をより充実させ、新たに「コーヒーミルお試しコーナー」を設置。コーヒーミルのお試しは以前から一部の商品や、要望があった際に限り実施していたが、使い勝手は口コミの情報がメインで、実際に購入前に試したいという要望が多かったことから、リニューアルを機に5万円クラスの商品や業務用を含め、全商品を試せるようになった。
お試しサイズのコーヒー豆(100円)を購入し、好きなミルで挽くことができる。複数の豆を買って挽き比べも可能。挽いた粉は持ち帰りもできる。
「包丁コーナー」は約300種類の包丁が並ぶ新設のコーナー。マイスター検定有資格者、包丁研ぎの技術を有した専任スタッフによる、最短即日渡し可能な包丁研ぎサービスを開始。
ランドリー関連では、アイロンがけを趣味のような感覚でこだわる人が増えていることから、アイロンと共にアイロン台もこだわりの商品を提案。ランドリープロデュースしているメーカーの商品、クリーニング店の3代目などプロが開発した商品などを集約している。
従来のアイロン台の固定観念を覆した壁掛けアイロンボード「ARTRON」は、カバーを変えアートのように壁にかけて、収納もラクで見た目も楽しめるというもの。ハンズ新宿店では、
先行販売の花のアートカバーが登場。
【AJの読み】1日いても飽きない楽しさは新生ハンズにも受け継がれている
東急ハンズが創業したのは1976年。定番商品からマニアックでニッチな商品まで幅広い品ぞろえと、商品知識が豊富な店員がいるハンズにはファンも多く、「東急ハンズ」消滅にショックを受けた人も少なくないだろう。
2022年3月のカインズによる東急ハンズ買収完了後も「東急ハンズ」の商標やロゴが使われていたが、同年10月から新生ハンズが本格スタート。看板の掛け替え、店舗改装を実施し、現在、看板掛け替えは国内外のハンズ65店舗のうち17店舗が完了、ららぽーと豊洲店、ららぽーと湘南平塚店など改装も進順次進んでいる。
創業以来ハンズが大切にしてきた想いや考え方を守りながら、世の中の変化を踏まえたハンズの新しい価値を、ブランドメッセージ「手でソウゾウしよう。手でワクワクしよう。」と、「手」をモチーフにした一筆書きの新しいロゴに込めたという。
見ているだけでも面白く、新しい発見がある「ハンズ的なもの」と、機能的で便利な商品の「カインズ的なもの」が同居するハンズ新宿店を歩いてみると、1日いても飽きない楽しさが新生ハンズにも受け継がれていると感じた。
文/阿部純子