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「製作委員会方式」はもう古い?世界が注目する日本のアニメや製作形態の変化

2023.07.04

近頃の日本のアニメ熱は、国内に留まらない。国内でも社会現象になった『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』が全米興行収入1位を獲得したニュースや、アニメ映画『THE FIRST SLAM DUNK』の世界的大ヒット記録などは記憶に新しい人も多いだろう。

一方で、日本のアニメの話題になるとたびたび議題に上るのが制作側の待遇問題だ。「アニメがヒットしても制作会社は儲からない」「アニメーターは薄給だ」などという話を聞いたことはないだろうか。

それに対し製作委員会の存在が諸悪の根源のように祭り上げられることが多いが、そもそも製作委員会とはどのようなものなのか?

当記事ではそんな製作委員会について、仕組みやよく挙げられる問題点、日本のアニメ業界に普及した背景などをまとめている。実際のヒットタイトルの例を挙げつつ、現代アニメの製作方式の変化についても紹介しているのでチェックしてみてほしい。

そもそも「製作委員会」とは?

製作委員会とは、アニメや映画、ゲームなどをつくる際に共同で資金を出資する企業集団のことだ。


製作委員会とは、「番組の製作や利用などの共同事業を営むため、局、アニメ制作会社、出版社、広告代理店、DVD販売会社等の複数の企業によって出資して形成された共同事業体」を指す。

引用:放送コンテンツの製作取引適正化に関するガイドライン(改訂版)【第7版】50P|総務省


尚、「製作委員会方式」という言葉は資金調達の方法(=出資方式)の1つとして使われる。

要はスポンサーのことだが、単独ではなく複数による出資になると「製作委員会」という扱いになる。テレビアニメの製作委員会に名を連ねるのは、主に以下のような企業であることが多い。

【アニメの製作委員会参加企業の例】

● 放送事業者(ex.テレビ東京、TOKYO MX、フジテレビ、TBSなど)
● 出版社(ex.集英社、小学館、KADOKAWA、講談社など)
● 広告代理店(ex.電通、博報堂、読売広告社など)
● ゲームメーカー
● 玩具メーカー
● レコード会社
● 映画配給会社
● アニメ企画会社
● 芸能事務所
● キャラクターグッズ製造メーカー
● アパレルメーカー
● 映像制作会社 など

構成や数は作品によって様々だが、大体5~10社前後の企業が携わるケースが一般的だといわれる。作品によっては「〇〇(作品タイトル)製作委員会」という表記ではなく、以下のように表記されているケースもある。

【「〇〇(作品タイトル)製作委員会」以外の表記例】

● プロジェクト〇〇
● 〇〇パートナーズ
● 〇〇フィルムパートナーズ
● 〇〇会
● 〇〇部
● チーム〇〇 など

なかにはアニメの内容や劇中の団体名などにちなんだオリジナルの表記もあり、オープニングやエンディングで目にしたファンを楽しませている。

【アニメにちなんだ表記名の例】

● 「野外活動サークル」(テレビアニメ『ゆるキャン△』第1期)
● 「桜高軽音部」(テレビアニメ『けいおん!』第1期)
● 「SOS団」(テレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』)
● 「製作委員会は友達が少ない」(テレビアニメ『僕は友達が少ない』第1期)
● 「らっきー☆ぱらだいす」(テレビアニメ『らき☆すた』)
● 「女王の番犬」(テレビアニメ『黒執事』)
● 「東雲研究所」(テレビアニメ『日常』)
● 「神山高校古典部OB会」(テレビアニメ『氷菓』)
● 「名状しがたい製作委員会のようなもの」(テレビアニメ『這いよれ!ニャル子さん』第1期)
● 「迷い猫同好会」(テレビアニメ『迷い猫オーバーラン!』) など

製作委員会のメンバーになるとその作品に対して権利が発生する。版権を行使することができたり、出資額(出資比率)に応じた収益を受け取ることなどができる。ただし、同時に作品が赤字になった場合のリスクも請け負わなければならない。

当たる当たらないの予測がしにくいエンタメ業界で、とりわけテレビアニメやアニメ映画はその傾向が強いといわれる。実際、過去にも今をときめく豪華クリエイター陣や声優陣を起用し、バンバンCMを流していたような作品が大ゴケするようなケースはあった。

テレビアニメやアニメ映画の制作は莫大な資金を必要とする一方で、当たれば強いが外れれば大きな負債を負う恐れがあるのだ。そのような背景もあり、個々のリスクを抑えつつ投資ができる製作委員会方式は特に日本では好まれ定着している。

また、単独出資に比べるとスポンサーになってくれる企業を探しやすいこともあり、企画を立ち上げる側からすると比較的資金調達がしやすいというメリットもある。

製作委員会方式以外の出資方式には、「広告収入方式」「自社制作方式」「パートナーシップ方式」などがある。

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