異動や転職などで新しい職場で働き出したものの、新しい環境になかなか慣れずに、いったいこの辛さがいつまで続くのかと不安に思ったことはないでしょうか。
一般的には新しい職場に慣れるまでの期間は3~6か月と言われていますが、できるなら早く慣れたいものですよね。
今回は、新しい職場を辛いと感じてしまう原因や、少しでも早く環境に慣れるための対処法をご紹介します。
新しい職場が辛いと感じる原因
まず、始めに新たな環境には、期待などもありますが、不安もつきものです。ほとんどの人が感じることであり、決してあなただけではありません。
しかし、不安から辛さを強く感じる人もいます。ここでは、辛いと感じてしまう原因を見ていきます。
1.常に気を張っている状態だから
新しい職場が辛いと感じる原因の1つは、ずっと気を張っている、つまり、緊張状態が続いているからです。人は不安や悩みなどがあるとそれがストレスとなり、体はそのストレスに負けないように緊張状態に入ります。
周囲のすべてがストレスになっているとは言いませんが、慣れない環境でミスを起こさないために常に気を張っていないといけない状況なので、心も体も疲れてしまい、それが辛いという感情になっているのです。
2.意識が内側に向いているから
新しい環境では意識は内側にばかり向いてしまう傾向があります。意識が内側に向くとは、他人が「自分のことをどう思っているのか」、「自分はどう映っているのか」など、他人から見た自分の見え方を気にしている状態のことです。
慣れていない環境の中で他人からの見え方ばかりに気にしていると、周囲に気を配ることができず、コミュニケーションもうまくいきません。
また、思い通りにならないことがあれば不満を感じて、それがストレスになり、辛さを強く感じてしまいます。
3.マイナス思考だから
マイナス思考の人は慣れていないだけの状況から、次々と不安要素を自ら作っていきます。例えば、「このままずっと1人かもしれない」から、「この仕事を失敗してしまうかもしれない」、「仕事で失敗しても誰も助けてくれない」といったように、悪い状況を想像で膨らませていきます。勝手な憶測から、負の連鎖のように不安を大きくしてしまっています。
早く仕事に慣れるための3つの対処法
冒頭で一般的には新しい職場に慣れるまでの期間は3~6か月と言われているとお伝えしましたが、できれば、イチ早く新しい職場に慣れたいもの。ここでは、早く仕事に慣れるための対処法をご紹介します。
1.緊張を受け入れる
職場に限らず、新しい環境に身を置くときには誰しも少なからず不安や緊張を感じています。原因では気を張っている緊張状態を悪いものとして紹介しましたが、緊張自体が悪いのではなく、緊張状態が続くことで体に悪いストレスがかかるということです。
実際に緊張には、よい刺激を与えてくれるというプラス面もあります。適度な緊張感が刺激となり、集中力を高める効果が期待できます。
緊張をプラスにするためには、「リラックスしなければいけない」と思うのではなく、「緊張は誰でもするもの」と受け入れることです。
人は緊張という状況を否定してしまうと、その否定によってよりストレスを感じてしまいます。受け入れることでそのストレスを軽減することができ、必要以上に周囲に対して気を張って構えることもなくなります。
2.周囲に意識を向ける
原因でも触れましたが、意識が自分に向いてしまうと他人からの見え方ばかり気にして、周囲への気遣いがなくなります。
今自分に意識が向いていると感じたなら、その意識を周囲に向けるようにしてみてください。意識を相手に向けるとは、つまり「自分がどう見えているか」ではなく、「相手は何を思っているか」を考えて行動するということです。
相手が望むように行動するようになるとコミュニケーションをうまく取れるようになります。相手に意識を向けるからこそ、相手の話を興味や関心を持って聞くことができます。
3.職場とプライベートの意識を分ける
職場にイチ早く慣れるためには、職場とプライベートの意識を分けることも大切です。
いつ慣れるかという不安を抱えている人は、職場とプライベートをうまく切り分けられません。家に帰っても、職場のことを考えて、ずっとそのストレスを抱え続けます。いくら緊張を受け入れたとしても、気を休める時間がなければ、体と心は疲弊していきます。疲れた状態では周囲に意識を向けることもうまくいきません。
オンオフの意識を切り替えるためには、切り替えるアクションとなるルーティンを1つ決めてみてください。そのルーティンは、音楽を聴く、本を読む、などあなた自身が好きなことがいいでしょう。
仕事に向いてしまっている意識をその好きなことに向けることを習慣化してみてください。何度も繰り返すうちに自然と意識を切り替えることができます。
文・構成/藤野綾子