身体にいいことをしてメンタルを整えることも重要
また芦澤氏によれば、自分の身体にいいことをするように心がけることも、メンタルを整える上で重要になるという。基本的なことだが、運動、睡眠や生活習慣を整えることは大事だそうだ。
●運動
「散歩、ジョギング、ジムなどで身体を気持ちよく動かすことで、幸せホルモンが出やすくなります。気分もリフレッシュできますね。体力がつくことで自分に自信がつきストレス耐性も高まります。特に日中運動して明るい光を目に入れることがおすすめ。よりリフレッシュできます。睡眠の質もよくなり、効率よく精神的な回復がはかれます」
●睡眠
「睡眠をしっかりとることも重要です。自律神経も脳神経も、細胞からできている身体の組織のひとつです。きちんと疲労が回復され、栄養や酸素がいきわたっている状態を作ってあげることが重要です。その身体組織の疲労回復には、睡眠の量や質が深く関わっています」
睡眠の質を上げる方法はさまざまある。今回は食事からの対策を教えてもらった。
「神経伝達物質を作るタンパク質として、肉や魚は日々の主菜にきちんと取り入れましょう。脳神経の正常な働きを助けてくれるビタミンB12が豊富なしじみやあさりなどの貝類も必要です。
体の末端部分の血行量を増やして深部体温を冷やすグリシンが豊富なエビやウニ、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料トリプトファンが豊富な豆腐や納豆も積極的に摂ってみてください。主食には、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせるGABAが豊富な発芽玄米がおすすめです。
また、睡眠の質の改善に役立つ栄養素を含むといわれるユーグレナもよいでしょう。59種類もの栄養素を含みますし、その中にはビタミンB6、ビタミンB12、トリプトファン、鉄、GABA、グリシンに加え、ユーグレナ特有のβグルカンである『パラミロン』も含まれています。ユーグレナ粉末1,000mgおよびユーグレナ粉末の入っていないプラセボ粉末を12週間摂取した臨床試験において、主観的な睡眠への満足度有意な向上が見られたという検証結果もあります」
その他、リラックスタイムを設けることも有効だという。人間関係改善のための対策は、心身ともに実施するのがよさそうだ。
【取材協力】
芦澤裕子氏
精神科医・市川メンタルクリニック 院長
日本睡眠学会認定医、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、指導医。心療内科、精神科のクリニックにて精神障害、睡眠障害などの治療にあたる。「心やすらぐ、ぐっすり眠れる夢の絶景カレンダー」「GOOD SLEEP BOOK 365日ぐっすり快適な 眠りのむかえ方」(翔泳社)監修。
市川メンタルクリニック 千葉県市川市市川1-4-10 市川ビル11F
https://www.ichikawa-mental.jp/
文/石原亜香利