呼称は「生成AI」に定着か。「ChatGPT」とともに使用されたキーワード調査
「ChatGPT」とともに使用されたキーワードを調査した。キーワード登録で「ChatGPT」を使用したプレスリリースにおいて、登録件数が多いキーワードを分析。5か月通算では、やはり「AI」が999件と1位に、「ChatGPT」の開発企業である「OpenAI」が2位に続いている。
そして、使用件数が徐々に増えていった1〜3月は、「ジェネレーティブAI」「チャットAI」「生成系AI」「対話型AI」と様々な呼称が使用されていたものの、4月からは「生成AI」という呼称が4月71件、5月102件と、一般呼称のひとつとして定着したように見える。
注目キーワード/「GX」
今年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定され、持続的な成長を目指す企業群が連係。官・学とともに協働する場である“GXリーグ”が発足した。
日本を代表する企業をはじめ、679社の企業が参画しており、企業活動にも「GX」に取り組む企業が増えている。
昨年同期(2022年1月~5月)に38件だったキーワード使用は、2023年1月~5月には165件と4.3倍に増加。自治体と連携して産業用大麻の栽培を開始するなどの企業のGXへの取り組みや企業の「GXリーグ」参画などがプレスリリースで発表されている。
「SDGs」や「サステナブル」といったキーワードとも関連する企業活動の新しいトレンドに「GX」が入ることが予想される。
注目キーワード/「脱マスク」
コロナ禍で生活の必需品となったマスクは、2020年にはその需要に合わせて2020年には3155件と、プレスリリースのキーワード使用でも「マスク」が急上昇した程に、企業発表でも多く見られた。
しかし、コロナ禍の落ち着きに伴い、政府からも今年3月にはマスク着用を個人の判断に委ねるという方針が発せられ、マスクを外すことへの美意識などにも起因する心理的抵抗が話題となった。
そのような流れで、「脱マスク」というキーワードが使用されるようになり、2022年1月~5月には1件、2022年8月~12月の5カ月でも8件だった「脱マスク」のキーワード使用したプレスリリースは、2023年1月~5月に70件と件数が伸びつつある。
マスク着脱に関する意識調査のほか、スキンケアやメイクといった美容商品や、オンラインで歯のホワイトニングができるサービスなども関連する商品・サービスがプレスリリースで発表された。
上昇キーワード
・「リスキリング」
2023年上半期(1月~5月)は、724件のプレスリリースでキーワードが使用され、昨年同期(1月~5月)比で6.3倍超に伸びている。
企業の研修制度はもちろん、個人のリスキリング需要に応えるように、セミナーやコーチングサービスに関するプレスリリースが発表された。
・「インバウンド」
2023年上半期(1月~5月)は、661件のプレスリリースでキーワードが使用され、昨年同期(1月~5月)比で3.6倍超に伸びている。
各事業者によるインバウンド対応の新サービス提供開始をはじめ、インバウンド需要に応えようとする事業社への支援サービスを展開する企業の発表も見られる。
・「人的資本」
2023年上半期(1月~5月)は、312件のプレスリリースでキーワードが使用され、昨年同期(1月~5月)比で5.2倍超に伸びている。
前述の「リスキリング」とも関連するキーワードで、ほとんどのプレスリリースでともに使用される「人的資本経営」と合わせて、セミナーやカンファレンスなどでテーマとされることも多く、発表が増えている。