「社内ニート」という言葉を聞いたことはありますか。
「暇つぶしをするのに忙しそう」「給料泥棒…ずるい!」といったネガティブな印象を抱いている人も少なくないでしょう。
しかし、今は毎日忙しく働いている人でも、社内ニートになる可能性はあります。もしくは今、すでに社内ニートの状態にある読者の方もいるかもしれません。
今回は、社内ニートが発生してしまう原因や、もし自分がなってしまった場合の対応など、社内ニートのあれこれを紹介していきます。
社内ニートとは?
社内ニートとは、業務時間中に対応する仕事がほとんどなく、時間を持て余している人のことを指します。
ニートという言葉がもともと無職の若者を意味することから、社内ニートもどちらかというと若手を指すことが多いよう。第一線を退いた年代や、いわゆる窓際族のことは社内ニートと言わないようです。
社内ニートが発生する原因3つ
毎日真面目に仕事に取り組んでいる人から見れば「ほとんど仕事をしていないのに、ちゃっかり給料はもらっているなんて……」と思うかもしれません。
ただ、社内ニートが発生するのは、組織に原因がある場合もあり、本人だけに責任があるとは一概に言えないのです。社内ニートが発生する原因を挙げていきます。
・教育できる人材の不足
特に入社や異動してきたばかりの人は、自分で仕事を探そうと思ってもできることが限られているもの。どんなに能力のある人でも、最初は先輩からのフォローが必要です。
教育する立場にある人が、自分の仕事から手を離せず「ちょっと自分で勉強していて」を繰り返すと、その新人は社内ニートになってしまう可能性があります。
・採用のミスマッチ
業務を遂行するための能力がないため、仕事を任せられない人もいるでしょう。どんなに会社が丁寧に教育し、本人も努力しても、できないことはあるものです。その仕事と本人が合わなかったために生じます。本人の能力が足りないことに注目するだけでなく、そのことを見抜けず採用した企業側も考えるべきことがあるかもしれません。
しかし、任せられる仕事がないからといって解雇は難しいもの。そんな場合に社内ニートを発生させてしまうのです。
・ハラスメント
上司からの嫌がらせで、わざと仕事を与えられていないケースもあります。外から見ると「仕事をさぼっている人」は、もしかしたらハラスメントを受けているかもしれません。上司ということもあり、その状況をなかなか訴えられないこともあるでしょう。
社内ニートになったら?取り組めることあれこれ4つ
社内ニートは誰でもなる可能性があります。次の転職・異動先がまさに社内ニートを生み出す環境かもしれませんし、今の環境でいつハラスメントを受ける立場になるかもしれません。
もしくは、いま社内ニートの状態にあり、どうにかしたいと思っている人もいるでしょう。
社内ニートになった場合、取り組めることを紹介します。
1. 仕事がないことを上司に相談する
今の自分の状況を伝え、自分はもっと仕事をしたい旨、上司に相談しましょう。もしかしたら上司は、あなたが社内ニートであることに気づいていないかもしれません。もしくは「さぼっている」「やる気がない」とみなし、低く評価していることもあります。きちんと、自分はこの状況を変えたいと伝えるほうがよいでしょう。
上司に伝えることで、仕事を任せてもらえることもあります。もしくは本当はあなたが気づいていないだけで、できる仕事はまだたくさんあるかもしれません。
2.みんなのためになることを率先して行う
上司に相談しても対応できる仕事がない場合、議事録の作成や資料の準備など、みんなのためになることを積極的に見つけて行いましょう。それらの業務を通じて、あなた自身も学ぶことが多いでしょうし、周りにもあなたという存在を印象付けることができます。
3.緊急性が低く、重要度が高いことに取り組む
対応しなければいけないと思いながら、忙しいときはなかなかできなかったことはありませんか。例えばメールや名刺の整理、先輩からもらったフィードバックをわかりやすいよう一覧にまとめる、などが挙げられます。
ただし、これらに取り組む際は、必ず周囲に自分が行っていることを伝えておくこと。そして「何かできることがあったら、いつでも声をかけてください」と言いましょう。そうしなければ、「ネットサーフィンで暇つぶししている」「さぼっている」と勘違いされる可能性があるからです。
4.転職
自らアクションを起こしても状況が変わらず、今後も改善が期待できない場合は、その組織や仕事内容とあなたが合わないだけの可能性もあります。転職を検討してもよいでしょう。ハラスメントを受け、心身ともに影響が出ている場合は、早めに検討することをおすすめします。
誰でもなる可能性がある社内ニート。もし自分がなってしまったら、今回紹介したことを参考に行動をとってみてください。
文/やまさん
保有資格:キャリアコンサルタント(国家資格)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー(日本キャリア開発協会)