会社が行っている「残業の削減対策」は「実労働時間の把握」
残業の削減対策として会社でどのような取り組みがされているかをたずねたところ、「実労働時間の把握」40.8%、「休日労働した場合の代休の付与」31.5%、「ノー残業デー、プレミアムフライデー等の導入」21.9%など、など様々な取り組みが行われていることがわかった(図5)。
早く帰宅できるように実践していることの1位は「仕事の優先順位をつける」
早く帰宅できるように実践していることを質問したところ、1位「仕事の優先順位をつける」55.3%、2位「スケジュール管理を徹底する」33.6%、3位「できない仕事は断る」21.4%といった結果が得られた。
「できない仕事は断る」という毅然とした態度をとることも重要だと言えそうだ。
プライベートを重視するZ世代はワークライフバランスを保つために、様々な工夫をしながら、仕事は全力でやりたいと考えていることが推察できる(図6)。
残業規制があることで「仕事とプライベートのメリハリがつく」
残業規制に対してどのように感じているかを質問したところ、「仕事とプライベートのメリハリがつく」66.1%、「時間管理の意識が高まる」62.8%、「家族や友人が安心する」60.3%などに、「そう思う」と回答した割合が高くなった(図7)。
一方、残業規制に対して「そう思わない」の回答の割合が多かったのが、残業しないとやる気がないように思われそう」59.5%、「企業としての競争力が損なわれる」59.3%、「社員の成長スピードが落ちる」54.9%となった。
ここからもZ世代は「プライベートを重視」していることがわかると同時に、残業規制は「個人の成長に寄与するもの」とポジティブにとらえていることがわかる結果となっている(図8)。
Z世代が古いと感じる仕事に関する価値観は「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」
古いと思う「仕事に関する価値観」をたずねたところ、多くの票を集めたのが、1位「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」82.8%、2位「新人は誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る」79.9%、3位「残業時間は長い人ほど頑張っている」71.7%となった。
これらの結果から、Z世代は「効率を重視する」「意味のない前例踏襲は避ける」傾向にあることがわかる(図10)。
以前からも、Z世代は「タイパ」を重視する傾向があることは言われており、今回の結果もそれを支持する結果が出たのかもしれない。
Z世代は、プライベートを重視する傾向が強いが、それは、仕事に対しての情熱がないということではないはず。Z世代は、個人の成長は業務時間の長さに比例するのではなく、業務の密度に比例すると考えており、「働く時間(量)より質」を大切にしていると言えそうだ。
調査概要/Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023 第1弾
対象エリア/全国
対象者/知的サービス業に従事する18歳~29歳のZ世代 906名
調査方法/インターネットによるアンケート調査
調査期間/2023年3月17日~2023年3月24日
関連情報
https://zac.go.oro.com/news/news-2085.html
構成/清水眞希