体感できる常設店を拡充
発売される前の2020年3月、同社は『ブレインスリープ ピロー』をクラウドファンディングプラットフォームのMakuakeで先行予約販売を実施する。3月18日から4月19日までの期間限定で販売したところ、目標の100万円に対して1600万円以上を売り上げることができた。
この結果に廣田氏は、正式発売後の手応えを得た。
「枕がこれほど売れるとは思っていませんでした。いまは新型コロナウイルスのこともあり睡眠への関心が高まってきていますが、いまほど睡眠への関心が高くない頃にこれだけのニーズがありましたので、枕の可能性の高さを感じることができました」
正式販売後は主にECサイトで販売した。ブレインスリープの公式オンラインストア『ブレインスリープストア』を始め、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングで購入できる。このほか、現在は蔦屋家電やJOURNAL STANDARD FURNITUREなどの店舗でも購入可能だ。
販促はYouTubeでのタイアップ活動に注力。このほかには、コロナ禍で音声メディアが脚光を浴びたことからラジオでのプロモーションにも力を入れたという。
「YouTubeやラジオを使った販促は現在も行なっていますが、いまは色んな消費者コミュニケーションを強化しているところです。大事にしていることは『ブレインスリープ ピロー』を聞く、見る、触るといった体感です」
このように話す廣田氏。体感してもらうために一時期はポップアップストアを展開することが多かったが、最近は常設店舗を拡充するようにした。ECサイトの情報だけでは判断がつかない人たちの購入を後押ししている。
また、眠れないこと以外の課題に対応する派生品も展開。現在、いびきに悩む人向けの『ブレインスリープ ピロー サイレント』、首こりや肩こりの原因になるストレートネック(首の頚椎が本来あるべきゆるやかなアーチ形状を保てない状態)で悩んでいる人向けの『ブレインスリープ ピロー ネックフィット』、子ども向けの『ブレインスリープ ピロー forキッズ』、旅行やアウトドア需要に対応する『ブレインスリープ ピロー ポータブル』をラインアップしている。
取材からわかった『ブレインスリープ ピロー』のヒット要因3
1.眠れない悩みを解消する新たなアプローチ
通気性のある枕に変えると頭が冷え体に熱がこもらなくなり、熟睡につながる。枕を変えるだけで眠れることはある意味盲点だったことから、眠れず悩んでいた人たちが注目した。
2.信頼性が高い
寝心地をよくし頭のフィット感を高める3層構造と、寝返りを打ちやすくする7グラデーション構造を採用。特許に裏打ちされた技術であること、職人の手づくり、きちんとしたエビデンスがある、といった複数の要素から、信頼性が高いものになった。
3.睡眠と向き合う時間ができた
新型コロナウイルスの感染拡大でセルフヘルスケアの意識が高くなったこと、お家時間ができ家で過ごす時間を充実させたいと思うようになったことから、睡眠への関心が高まった。眠れないことで悩んでいる人が悩みに向き合い解消しようというきっかけになり、解消手段として選ばれた。
寝具の世界は、布団やマットレスには代表的な有名ブランドがあるが、枕にはまだないのが実情。ブランド名より買った店名が語られる節があるが、『ブレインスリープ ピロー』がこれから先も売れ続ければ、枕を代表するブランドに成長するだろう。
製品情報
https://www.zzz-land.com/shop/g/gBS050S1/
文/大沢裕司