■連載/綿谷さちこのクレカの強化書
SMBCグループ(三井住友フィナンシャルグループ)と三井住友カード、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)とCCCMKHD(CCCMKホールディングス)が2023年6月13日に「新ポイントに関する会見」を開催。SMBCグループが提供する「Vポイント」とCCCグループが提供する「Tポイント」を統合。新たなポイントサービスとして、青と黄色の「Vポイント」を、2024年春よりスタートすることを発表した。
新ポイントをお披露目するSMBCグループ 取締役 執行役社長 グループCEO 太田純氏(左)と、CCC 代表取締役会長 兼 CEO増田宗昭氏(右)。
青と黄色の「Vポイント」が生まれた理由
「Tポイント」は2003年から共通ポイントサービスを開始し、共通ポイントのパイオニアとして抜群の認知度と7000万人のアクティブユーザーを抱える。一方、「Vポイント」は2020年にSMBCグループ共通のポイントとして誕生。主に三井住友カードの利用で貯まることから、日本はもちろん、世界1億店以上の Visa加盟店で利用できるオープンなポイントとして知られる。
「2つのポイントの良さをミックスすることで、みんなが自由にどこでも使える開かれたポイントになるという点が、他のポイントと異なる特徴です」とSMBCグループ 取締役 執行役社長 グループCEO 太田純氏。
そんな2つのポイントが融合。ポイントの名称は「Vポイント」で、ロゴには「Tポイント」のイメージカラーである青と黄色を採用し、青と黄色の「Vポイント」となった。
「Tポイントが誕生して20年。これはみなさんのご支援、ご支持の賜物だと思っています。そういう意味で“T”については強い愛着はありますが、国内で750万店、世界では1億店で貯まり、キャッシュレスで使えるという世界を伝えるには、やはり“V”の名前を使った方が良いのではないかと思いました。そこで名称については“V”、そしてロゴについては20年間親しんで頂いた青と黄色のロゴを使わせていただきました」とTポイントの生みの親でもあるCCC 代表取締役会長 兼 CEO増田宗昭氏。
新ポイントのユーザーの3つのメリットとは
新ポイントのユーザーのメリットとして、三井住友カード 代表取締役社長 大西幸彦氏は、①Visaで使える、②キャッシュレス、③ポイントのさらなる進化、の3つを掲げる。
三井住友カード 代表取締役社長 大西幸彦氏(左)と、CCC代表取締役社長 兼 COO、CCCMKHD代表取締役社長 兼 CEOの髙橋誉則氏(右)。
ポイントは貯まると嬉しいものだが、熱心になり過ぎると、実は別の店舗の方が安くてもポイント加盟店で購入したり、ポイントの有効期限が迫っているので、今は必要ではない消耗品を購入したりと、ポイントに行動を操られてしまいがち。新しい「Vポイント」はそんなストレスをゼロにしてくれるという。
「新しいVポイントは、国内はもとより、世界の200以上の国と地域にある1億店以上のVisa加盟店でご利用いただけます。使い道に困ることは一切ないと思っています。新しいVポイントを使うことで、どこでも使える自由さを実感して頂けるのではないかと考えています」と大西社長。
リアルのお店ではApple Pay、Google Payを使ってVisaのタッチ決済で支払い、オンラインではVisaのクレジットカード決済が可能。国内のVisaのタッチ決済対応カードは1億枚を発行し、電車やバスなどの公共交通機関でも利用できるところが増えている。つまり加盟店を意識しなくても、Visaのタッチ決済で支払いをしているだけで、自然とポイントが貯まっていく。
その貯まるポイントも、従来の「Tポイント」加盟店に加え、三井住友銀行が展開する『Olive』の利用で、三井住友銀行の口座やデビットカード、三井住友カードのクレジットカード、対象の証券や保険のサービスでもポイントが貯まる。条件を満たせば、対象のコンビニや飲食店で最大17%にポイントアップするとあって貯まりやすい。
今後、従来の「Tポイント」加盟店でSMBCグループのクレカ決済することでポイントが0.5~1%上乗せになったり、ポイントカードを出し忘れても、クレカ決済なら後から申請してポイントを獲得できるサービスも行なう予定。ポイントの貯まりやすさ、利便性が大きく拡大しそうだ。
ポイントは「Tポイント」アプリや「Vポイント」アプリで管理でき、これらは決済アプリとして、世界中のVisa加盟店で支払いをすることができる。なお、「Tポイント」アプリは新ポイントの開始後、「Vポイント」に名称変更となる。
今後、ポイントのバーコードを見せなくてもワンオペレーションでポイント獲得と決済ができるようになったり、ポイントを送金できたり、家族や友だちでポイントを分け合ったりできるサービスも予定しているという。