大きな凹凸でもしなやかな乗り心地
デザイン面では内装のインパネやコンソール周辺の形状変更と、スイッチレイアウトを最適化した。カップホルダーやスマホ充電の使い勝手も向上している。このときには「ES」の中でもより上質でラグジュアリーな時を楽しめる特別仕様車「Graceful Escort」を設定した。
現在のグレードラインナップは「ES 300h」(602万円~)、「Fスポーツ」(654万円~)、「バーションL」(718万円)、これに特別仕様車「Graceful Escort」(728万円)が選べる。パワーユニットは各車共通、ガソリンエンジンは直列4気筒DOHC、2.5ℓで178PS、221Nm。これに120PS、202Nmの電気モーターが加わる。ミッションは電気式無段変速で、前輪を駆動する。
ドライブモードセレクトはSport +/Sport S/Normal/Eco/Custamの5モード、切り替えはメータークラスター左のダイヤルで行なう。メータークラスター右のダイヤルはESCの切り替えだ。
試乗車は「バージョンL」をメインに行なった。ドライブモード、Normalでスタートする。アクセルオンで走り出す。スタート時のダッシュは、それほど俊敏ではない。ゆっくりとスタートし、加速する。加速中に気になるのは2.5ℓエンジンのうなり音。室内への侵入はそれほどではないが、アクセルオンで常にうなる。それでも0→100km/hの加速データを計測すると7秒台を記録した。これは決して遅い数値ではない。そこで、Sportsモードに切り替える。ハンドリングは重さを増し、ドライバーもハンドルをしっかり握ることを要求される。
乗り心地は大きな凹凸でも上下動も収まりがよい。しなやかだ。コーナーでのロールも抑えられている。「ES」のハンドリングは、レクサス車の中でもトップレベル。電子制御と剛性感のある動きは「LS」よりも上と個人的には思う。
前輪駆動だが、そのデメリットはほとんどなく、むしろ、室内の広さなどメリットのほうが大きい。後席は足元も広く、中央部のトンネルの盛り上がりも低く抑えられている。自らもハンドルを握るオーナーなら「LS」よりも「ES」のほうが断然、楽しいと思う。燃費だって実走で15km/Lを下回ることはほとんどなかった。
「Fスポーツ」にも試乗したが、動力性能はほとんど同じ。235/40R19と1サイズ大きいホイールを履いていたためか、むしろ乗り心地のかたさやザラつき感のほうが気になった。「バージョンL」でもドライビングは十分に楽しめると思う。もう少し「ES」に注目が集まってもいい気がする。
■関連情報
https://lexus.jp/models/es/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博