女性を意識しラインアップを拡大
2022年8月に『BARK ZERO』、同年12月に『BARK Queen』が発売された。『BARK ZERO』はシュガーフリー、『BARK Queen』はトロピカルフルーツのマンゴスチンをイメージしたフレーバーが特徴だ。
「『BARK ZERO』はもともと考えていましたが、2022年に入った直後あたりから、お客様からも『ゼロカロリーが欲しい』という声が聞かれるようになりました」と桑原氏。ゼロカロリーは往々にしてケミカル臭がすることがあることから、これを極力抑え『BARK』の味から大きく外れないようにすることがポイントになった。
一方の『BARK Queen』は、男性が飲むイメージが強いエナジードリンクにおいて女性でも手に取りやすいものを意識して企画・開発がスタートした。フルーツフレーバーを採用した理由も女性を意識してのことで、マンゴスチンのほかグアバやマンゴーなどで試作をつくった。1フレーバーにつき3〜4回ほど試作品をつくったが、ベルクの女性社員の評価が高かったのが、酸味と甘味のバランスがよく飲みやすかったマンゴスチンだった。
取材からわかった『BARK』シリーズのヒット要因3
1.コストパフォーマンスが高い
税抜で1本100円を切る低価格。ナショナルブランドより大幅に安いが、カフェインやアルギニンといったエナジードリンクでキーになる成分の含有量はまったく見劣りしないので、コストパフォーマンスが高い。
2.販促の強化
PB商品にしては販促に注力したのではないだろうか? 特別なことはしていないが、商品の世界観を踏襲した店内用POPをつくったり、YouTubeやTwitterを効果的に使ったりと、できることを適切なタイミングで実施している。
3.コラボで盛り上げた
同じエナジードリンクの人気ブランドである『Red Bull』や『ZONe』とコラボ。人気ブランドとのコラボでエナジードリンクの売場全体を盛り上げ、話題づくりと商品への注目を集めることに成功した。
ユーザーの反応で目立つのが、味の良さとコストパフォーマンスの高さ。デザイナーがこだわってつくったパッケージデザインについては、意見が様々あるそうだ。見方を変えれば、それだけよく見てもらっているということ。ライアップの追加も検討されており、今後も売場を賑わせてくれることが期待される。
文/大沢裕司