政府が推進する働き方改革の一環として、副業を解禁する企業が増えている。ではどのような業務であれば高額な収入を得ることができるのだろうか。
フリーランス・複業・副業の求人マッチングサービス『SOKUDAN(ソクダン)』を運営するCAMELORSは、フリーランス・副業案件の職種別の平均年収・時給について調査した。
フリーランス・副業案件の平均年収・時給が高い職種ランキングと上位3職種の特徴
1位 データサイエンティスト 平均年収1,294万円 時給6,417円
データサイエンティストは、ビッグデータを解析・活用し、企業や組織にとって有益な情報やインサイトを提供する専門家だ。彼らは統計学、機械学習、データ解析、データビジュアル化などの幅広いスキルを持っている。
主な仕事内容は、データの収集・整理、データ解析・モデリング、結果の可視化・報告、およびデータ活用による意思決定や戦略立案の支援。
データサイエンティストが必要とされるスキルは、プログラミング言語(PythonやRなど)、データ解析・機械学習ライブラリ(pandas、scikit-learnなど)、データベース管理(SQLなど)、統計学、機械学習アルゴリズムの理解、データ可視化ツール(TableauやPower BIなど)、そしてコミュニケーション能力が挙げられる。
データサイエンティスト協会が、現役データサイエンティストを対象にした調査では791万円であったが、厚生労働省の「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、「その他の技術者」に分類されるデータサイエンティストの平均年収は、508万円となっている。
SOKUDANのデータサイエンティスト案件の特徴をみると、多い順にSaaS、人材サービス、AI(人工知能)、コンサルティング、SI(システムインテグレータ)、IT関連、ヘルスケアテック、フィンテック、医薬品・医療機器となっています。必須スキルは、多い順にAWS、Python、SQL、要件定義、ETL処理、スクレイピング、データベース設計、Tableau、データ解析分析であった。
稼働日は、週2〜3日56%、週4〜5日39%、週1日5%となっている。リモート可否については、フルリモート(在宅OK)73%、リモート(一部)可25%、リモート不可2%という結果に。
2位 機械学習エンジニア 平均年収1,251万円 時給6,208円
機械学習エンジニアは、機械学習アルゴリズムや技術を活用して、データから有用な情報やパターンを抽出し、予測モデルや自動化システムを開発・実装する専門家だ。
具体的にはデータ分析、アルゴリズム開発、モデル評価、システム統合などのタスクを担当し、企業の意思決定や業務効率化に貢献する。
機械学習エンジニアが必要とされるスキルは、プログラミング言語(PythonやRなど)、機械学習ライブラリ・フレームワーク(scikit-learn、TensorFlow、PyTorchなど)、データベース管理(SQLなど)、統計学、機械学習アルゴリズムの理解、データ前処理・特徴量エンジニアリング、デバッグ・最適化技術、そしてコミュニケーション能力が挙げられる。
一般的には、初心者は年収500万円〜700万円程度で、経験者は800万円〜1,500万円程度。Indeedのデータによると、国内の機械学習エンジニアの平均年収は、約630万円前後とされている。
アメリカの求人サイト「Glassdoor」のデータでは、機械学習エンジニアの平均年収がおよそ1,400万円程度となっている。
ディープラーニングや自然言語処理などの専門知識を持つエンジニアや、AI開発の実績がある人は、さらに高い年収が期待できるだろう。
また、IT業界でAI技術の需要が高まり続けており、機械学習エンジニアの年収も上昇傾向にあるといわれている。
SOKUDANの機械学習エンジニア案件の特徴は、多い順にAI、SaaS、IT関連、コンサルティング、SI、通信となっている。必須スキルは、多い順にPython、Unity、Java、JavaScript、GO、CSS、HTML。
稼働日数は、スポット67%、週2〜3日18%、週1日以下11%、週4〜5日3%。リモート可否については、99%がフルリモート案件となっている。
3位 エグゼクティブ/コンサル 平均年収1,217万円 時給6,037円
エグゼクティブ/コンサルタント職種は、経営戦略の策定、事業計画の立案、組織の運営・管理、業績の向上、そしてクライアントへのアドバイスなど、企業や組織の成長を支援する役割を担う。
スキル面では、リーダーシップ、ビジネス戦略、プロジェクト管理、マーケティング、財務分析、人材管理、コミュニケーション能力、交渉力などが求められる。
また、業界知識や専門知識も重要で、市場や競合分析、法規制、テクノロジートレンドなどに精通していることが期待されるだろう。これらのスキルを活かし、経営陣やクライアントに対して的確な意思決定や戦略的なアドバイスを提供していく。
経験の浅いコンサルタントの一般的な年収は600万円~1,000万円程度だが、経験の豊富なシニアコンサルタントやマネージャー、パートナーという職位になると、年収は1,000万円~2,500万円程度になることがある。
エグゼクティブの年収は、1,000万円~3,000万円程度だが、大企業や成功しているスタートアップではさらに高額な報酬が支払われることもある。
SOKUDANのエグゼクティブ/コンサル案件の特徴は、多い順にコンサルティング、人材サービス、建設・不動産サービス、人材紹介・派遣、SaaS、マーケティング・リサーチとなっている。
必須スキルは、事業戦略、新規事業、ITコンサル、PM、デジタルマーケティング、法人営業、コンサルティング営業、個人営業、プロジェクトマネジメント、事業開発。
稼働日数は、週2〜3日42%、週1日以下23%、スポット21%、週4〜5日15%。リモート可否について、フルリモート(在宅OK)65%、リモート(一部)可31%、リモート不可4%となっている。
調査対象
SOKUDAN(https://sokudan.work/)に掲載された求人案件(一部抜粋)の単価と稼働時間から平均時給を計算し、その平均時給から1日8時間、月21日稼働で想定月収と想定年収を試算した。
対象期間:2019年6月〜2023年3月
対象案件数:4,905件 ※一部抜粋
出典:SOKUDAN Magazine
関連情報:https://magazine.sokudan.work/post/sIzYzpA3
構成/Ara