担当編集と著者が自画自賛!? いえ、本当におもしろい本ができたんです!
『人生がクソゲーだと思ったら読む本』こうして生まれた【誕生秘話】
発売前に重版が決まるという快挙を成し遂げた、かなえ先生の著書。この本が完成するまでには「原稿の大幅カット!」「視聴者からの悩みが重すぎる……」「回答をもう少しマイルドに」といったやりとりが、かなえ先生と担当編集の間にあった。今だからこそ話せる誕生秘話について振り返る。
〈異例の発売前重版!〉『人生がクソゲーだと思ったら読む本』が大好評発売中!
人生におけるあらゆる悩みに、かなえ先生が愛(ときどき毒)を持ってズバッと回答。読んでいて爽快な気分にさせてくれるだけではなく、生きづらい世の中を突破するヒントも与えてくれる。誰しもひとつは心に刺さる話があるはずだ。
担当編集が泣く泣く削った〝幻の原稿〟を@DIME読者だけに特別に公開します!
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担当編集 チバ 打ち合わせの段階で「ゲラゲラ笑える本を目指したいね」と話していましたが、本当に良い本ができましたね。担当編集がこんなに褒めるのもなんですが、炎上系YouTuberとかにありがちな悪目立ちのようなことではなく、良い意味で尖っていて。発売前重版なんて、僕も初めての経験です。でも、先生がものすごい量の文章を送ってきてくれたので、32ページ分くらいオーバー。1章分くらいを削ることになってしまったのが大変でしたね(笑)。
かなえ先生 そうでしたね、ついつい思いが強くなってしまって。でも執筆で苦労した記憶はなくて……チバさんのほうが苦労したんじゃないですか?(笑) 私は、時に「言論の暴力」と言われるようなアドバイスをすることもありますが、「違うんじゃない?」ということについて、必ずしもやさしく寄り添うことが最善とは思わないんです。「そこは間違っているよ」と指摘することもひとつの愛情なのかなと。ただ、指摘をするんだったらフォローをすることも大切。今回の書籍でも、しっかりとフォローを意識しましたね。
担当編集 チバ いやいや先生、最初に原稿を送っていただいた時「この回答、厳しすぎませんか……?」ってなりましたよね(笑)。本の帯に「視聴者の悩み相談に『愛(ときどき毒)』を持って答えます!」って僕が書きましたけど、最初は「毒、毒、毒、愛、毒、毒、愛」みたいな感じでしたよ。「冒頭からこれはしんどいから、これは最後の5章に回しましょう」「少しやさしい感じにしてあげてください」みたいなやりとりがありましたね。
かなえ先生 確か、最初に送ったのが5章「生まれの悩み」の「『親ガチャ』に成功していれば大学に行けて、もっと幸せだったんじゃないか?」っていう内容で、そもそも悩みが重かったんですよね。悩んでいる人に対して、いきなり握りこぶしを向けてしまったのは反省していますが(笑)、最終的にはマイルドになりました。それ以降に送った1~4章の原稿は、軽く読めるように意識しましたし、もちろんしっかりとフォローもしています。
担当編集 チバ かなえ先生らしさを残しつつも、心に響くアドバイスができる本になりました。人って、例えば悲しいニュースを見た時に「どちらかが悪」と決めつけないと、心の安寧が保たれないことってありますよね。この本は、先生が一定の結論を必ず出してくれるから腹落ちできる部分がある一方で、「応用できる考え方のヒント」をもらえる気がするんです。
かなえ先生 そうですね、私は「思考を柔軟にするためのひとつの参考資料」のような感覚で読んでいただきたいです。本来、人生には正解はありませんよね。でも、みんな正解を求めて、誰かが設定した仮の正解に飛びついてしまう。そうではなくて、「自分はこう思う」と違う意見を持つことも重要だと思うんです。この本で書いたのは、あくまでも私の意見。だから、すべてを受け入れる必要はないですが、皆さんが何かを考えるきっかけになったらうれしいですね。
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文/久我裕紀