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最高速度は333km/h!乗ってわかったベントレーの新たなフラッグシップ「W12フライングスパー」の底知れぬ走り

2023.06.10

底知れぬエンジン性能

 試乗車は、走行1300km強の新車だったが、それでもこのエンジンは軽快だった。加速テストでは一気に6200回転のレッドゾーン入口まで、小気味よく吹け上がり、シフトアップ。0→100km/hは、手許のストップウォッチでも3秒台後半。カタログ値に近い値を出した。このタイム計測時も「W12フライングスパー」は、持てる力を全部出しているぞという全力感がなく、しれっと出したという印象。ハンドルを握っていても、たいしてエンジン音の高まりもなく、アクセルペダルを踏みこんでスタートしたら、アッという間にこのスピードに達していたという感覚だ。

 100km/hでの巡航はDレンジで1200回転。だが、このエンジンは1000回転からでもタイムラグなく加速体勢に入るので、この車速からでも十分に素早い加速を開始する。音の高まりも少なく、6200回転は近づいてくる。スピード感に乏しいのだ。しかし、車速は速い。この手のハイエンド4ドアの中では全高が最も低いポジションがスポーツカー感覚を高めている。

 フロントアクスルを前方寄りに配置し、重量配分を向上させ、アクティブAWD、4輪操舵、ダイナミックライドなどの効果も多大だ。「コンチネンタルGT」から受け継いだ8速ATもスムーズで、素早いスポーツカー的シフトチェンジを体感させてくれる。AWDのトルク配分も、先代のように前40、後60の固定式ではなく、通常は後輪のみの2WD(FR)走行で、効率を高め、路面状況の変化やスリップの発生の検知で、自動的にAWDに切り替わる。

コーナリングレスポンスも向上している。以前のW12エンジンのフロントの重さ、というのが消されているのだ。これもW12モデルの好印象の理由のひとつといえる。車重で100kg軽い、V8モデルよりもエンジンの吹け上がり感などは軽く感じたのだ。

 センターコンソールに配置されたドライブダイナミクスモードは、B(ベントレー)モードで走り出したが、各モードでのトルク配分は、BモードとCOMFORTモードがフロントアクスルに最大で400Nmのトルクを伝達し、4WD的な安定性を確保する。SPORTモードになるとフロントアクスルへのトルク配分が280Nmに制限され、リア配分が多くなるので、FR車に近い動きが楽しめる。今回も高速走行ではSPORTモードが最も安定していた。ただし、乗り心地は硬め。しなやかさはCOMFORTモードだ。

 当たり前かもしれないが、乗り手の気分や運転状況により、モードを選択させる、というドライバー重視の姿勢もベントレーらしい性格といえる。ハイエンドのなかのハイエンドサルーンであるW12フライングスパーでもその考えを貫いているところが、ベントレーの魅力といえる。

 惜しいのは、このW12エンジンは2024年4月に生産を終了することが、正式に発表されていることだ。受注は2023年12月に終了予定という。懐に3979.8万円ほどの余裕がある方は問い合わせしてみてはどうだろう。

■関連情報
https://www.bentleymotors.jp/models/flying-spur/flying-spur/

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

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