韓国のヒョンデモーターは、1967年に設立され、現在では世界200か国以上でクルマの販売を行なっている。自動車生産台数では常にベスト10に入る大メーカーでもある。EVに関しては2010年には1号車を完成させ、発表している。
「IONIQ 5」は2021年に発売開始。2022年にドイツ、英国のカー・オブ・ザ・イヤー、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、世界EVオブ・ザ・イヤーなどを受賞するなど、欧米で高い評価を得ている。日本では2022年5月に販売を開始。購入はオンライン。支払いもカード決済でもOKという方式を採用した。整備も協力整備工場だけではなく、指定の場所にサービスマンが出向き、修理を行なうという出張整備も行なっている。さらに、クルマとIT技術を融合したコネクテッドカーサービスも開発し、提供する予定になっている。
直線を生かした特徴的なデザイン
実車を初めて見た時は、まずスタイリングデザインの斬新さに驚いた。直線を生かしたボディはヘッドライトやグリル、テールランプまでスクエアデザイン。ボディサイドのプレスラインも直線の組み合わせだ。プロポーションも全長4.63mに対し、ホイールベースが3.0mもある。このバランスがクルマを大きく見せているが、実際は全長4.7mを切っているので、取り回しはよい。
この直線を生かしたデザインは、ヒョンデが1974年に発表した「ポニーコンセプト」というジウジアーロの手によるプロトタイプモデルをオマージュしたものだ。「IONIQ 5」のバリエーションは4グレード用意されている。ベースモデルの「IONIQ 5」「ヴォヤージ」「ラウンジ」「ラウンジAWD」だ。前の3グレードはリアエンジン、リア駆動のRR。AWDはフロントにもモーターを備えている。
バッテリー容量は、ベースモデルのみ58.0kmh、他は72.6kmh。ただしAWDはフロントモーターが備わる。電池はリチウムイオン電池を搭載。充電は200V、6kW普通充電のほかに急速充電のCHAdeMo、150kWにも対応している。さらに車両の電源を電気製品に供給するV2Lと自宅に電力を供給するV2Hを搭載している。