数多ある電力会社とガス会社。最近はセットプランも多く展開され、非常に複雑だ。多岐にわたる疑問に石井さんが解答してくれた。
Q1|選択肢が多すぎて選べません。まず注目すべき点は?
A|燃料費調整額の上限を維持しているか確認しましょう。
「燃料費調整額(ガスは原料費調整額)は電気、ガス料金を大きく左右します。まず上限を確認しましょう。上限を引き上げても維持されている会社なら、それ以上料金は上がりません。上限の撤廃や設定されていない会社は高騰リスクを伴います。各社の状況は以下のとおり。ただし、一部の新電力には上限を維持しているところもあります」(石井さん。以下同)
燃料費調整額
→ 電力/大手電力会社は上限引き上げ予定、新電力会社の多くは上限撤廃
→ ガス/大手ガス会社は上限引き上げ済み、新ガス会社はそもそも上限なし
Q2|大手電力と新電力、どっちが安い?
A|今は料金体系の過渡期。大手電力会社の従量電灯型プランが無難。
「新電力会社は、電力量料金(右ページ参照)が大手より割安になる料金体系を取り入れています。しかし、最近の燃料価格高騰下では、燃料費調整額の上限がないところだと、結果的に大手より電気料金は高額に。一部の新電力を除き、過渡期の今は、大手電力の従量電灯型プランが無難といえるでしょう」
Q3|現在、大手電力会社で契約しています。電気代を抑えるには、乗り換えるべき?
A|関西、九州、中部エリアの人は、大手電力会社の従量電灯プランがいいです。
「大手電力会社の料金値上げを見据え、乗り換えを考える人もいるでしょう。でも、前述のとおり、燃料費調整額の上限がない新電力会社は選ぶべきではないので現状維持でOK。特に関西電力、中部電力、九州電力の大手3社は今回料金改定しないので、動くべきではありません」
Q4|現在、新電力会社で契約しています。電気代を安くする方法は?
A|市場連動型プランなら乗り換え、燃料費調整額上限ありなら現状維持。
「契約しているのが市場連動型プランなら、電気代高騰リスクを伴うため、大手電力会社への乗り換えをおすすめします。ただし、燃料費調整額に上限を設けている新電力会社であれば乗り換えの必要はない。その場合、現時点では大手電力の従量電灯型プランより電気料金は割安です」