「この仕事、向いていない気がする…辞めたい」
新年度がスタートして丸2カ月。転職や部署移動をしたものの、新しい仕事に対してもやもやを感じている人もいるのでは?もしくは、もう何年もそのような気持ちを抱いている人もいるかもしれません。
「これはただの甘えなのではないか」
「向いていないのではなく、自分の能力が足りないだけなのではないか」
その判断基準は、人や状況によって様々。本記事では「仕事に向いていない。辞めたい」と思っている人たちがどう行動すべきかのヒントをお届けします。
甘えではない!向き不向きの判断基準3つ
仕事で人を評価する際は「できる、できない」ではなく「向いている、向いていない」と表現されるべきもの。時々、自分のことを「私、仕事ができないから」と言ったり、他人のことを「あの人、仕事できないよね」と評価したりする人もいますが、その表現は正しくありません。
事務では力を発揮できなくても営業で成果を出せる人がいたり、自らアイデアを出す「0→1」はできなくても事業を拡大する「1→10」は得意な人もいたり。プレイヤーとしては活躍していたけれど、マネージャーとしては苦戦しているといった人もいるでしょう。
向いていない仕事をしていると力を発揮できないだけであり、「仕事ができない」人はいません。
では、仕事の向き不向きは、どのように判断すればよいのか、見ていきましょう。
正しい方向に努力をしても成果を出せていない
どんなに頑張っても、それが正しい方向でなければ、なかなか成果を出すことは難しいもの。試験範囲を理解していないにもかかわらず、範囲外の内容に時間をかけても高得点は狙えないでしょう。
仕事でいえば、間違った方法で対応しても時間がかかるだけで、成果を出せないことがあります。例えばパワポでプレゼン資料を作る際に、パワポの使い方を知らなければ対応することはできません。その状態で「私はパワポでの資料作成の仕事は向いていない」と判断するのではなく、自分で使い方を調べたり、周りに聞いたりすること。それでもできない場合は、本当に向いていないと考えてもよいでしょう。
王道といわれる方法をはじめ、様々な方法を試してみても成果を出せないときは、その仕事はあなたに向いていないのかもしれません。
モチベーションを維持できない
モチベーションは仕事に欠かせない要素です。「成果を出しているからモチベーションが刺激される」「モチベーションがあるから成果を出せる」の両パターンがあるでしょうが、モチベーションが大きな力となることは間違いありません。
自分自身が「この仕事、楽しくない…」と感じたら、その仕事に向いているとは言えなくなる可能性が高いでしょう。
「仕事に向いていない→辞める」という行動をとらないほうがよいケース
ここまでの説明を読んで「やはり今の仕事に向いていないようだ。早速次の仕事を探そう!」と思った人もいるかもしれません。しかし「仕事に向いていない→辞める」という行動をとらないほうがよいケースもあります。
例えばその仕事を始めてから日が浅い場合。「石の上には三年」は今の時代に当てはまらないかもしれませんが、少なくとも1年ぐらい続けなければ見えてこないものもあるでしょう。新年度からはじめた仕事が向いていないから、夏のボーナスをもらってから退職しようと考えている人がいるなら、もう少し続けてみることをおすすめします。
逆に、長くその仕事を続けている場合も、新たな仕事を探す行動はとる必要はないでしょう。例えば10年以上続けているような仕事は、自分では「この仕事に向いていない」と感じていても、長く続けられているという点であなたに向いている仕事と考えられます。もちろん新たなチャレンジを!と行動するのはよいでしょうが、「仕事に向いていない→辞める」という行動はおすすめできません。
仕事を辞めることをおすすめしないパターンを紹介してきましたが、例外があります。それは心身に影響が出ている場合です。この場合はなるべく早めに行動を起こすほうがよいでしょう。
また、仕事がうまくいかないことで職場の人間関係も悪くなっていることがあります。この場合は仕事の向き不向きだけでは考えられない複雑な状況になっているので、新しい仕事につくことでリセットするといった選択肢をとることもできます。
仕事を辞めたいと思ったら起こす3つの行動
ここからは、実際に行動を起こす人たちに向けて、具体的な方法を紹介します。
共通して大切なのは、次の仕事が決まるまで今の仕事は辞めないということです。人によって状況は異なりますが、次の仕事がすぐ見つかるとは限りません。仕事がなく収入が途絶えた状況が続くと、仕事の向き不向きなど言っていられなくなり、希望しない仕事をせざるを得なくなることもあるでしょう。
自己分析をする
「次こそは自分に向いている仕事をしたい」と多くの人が思っていることでしょう。今の仕事で学んだ点を活かしながら、自己分析をしっかり行うことが大切です。
ただし、自分で自分のことを知るのは案外難しいこと。転職エージェントなどの第三者に相談しながら自分の適性を見つけていく方法もあります。
副業を通して、自分に向いている仕事を探す
頭の中で自分に向いていると思っていても、実際本当に向いているかはわかりません。今の会社で許されているのであれば、副業などを通して試しに興味のある仕事をしてみるとよいでしょう。
結果、「やはり向いていなかった」「趣味としては楽しめるけれど、仕事として続けるのは難しそうだ」といった気づきを得られるかもしれません。
異動・休職を考える
心身共に影響が出ていて、新しい仕事を探せる状態ではないときは、異動や休職の希望を出すことを考えてもよいでしょう。
以上、「この仕事、向いていない気がする…辞めたい」と思ったときにとるべき行動を紹介しました。自分の状況に当てはめて、決断の参考にしてみてください。
文/やまさん
保有資格:キャリアコンサルタント(国家資格)/キャリア・デベロップメント・アドバイザー(日本キャリア開発協会)