上司から過度な期待を受けたり、大勢の前で重要なプレゼンを任されたりすると、それがプレッシャーとなり、いつも通りの力が発揮できない……、そんな経験はないでしょうか。そんなプレッシャーを克服するには、自分の思考のクセを知り、少しだけ考えを変えることが効果的です。
ここでは、プレッシャーに弱い人の特徴、そしてプレッシャーを克服する方法をご紹介します。
プレッシャーとは
まず、始めにプレッシャーとはどのようなものなのかを考えていきましょう。
プレッシャーは、英語の“pressure”からきている言葉で、英語の意味は「圧力」です。日本のカタカナ表記では、「周囲の期待などから来る精神的な重圧」という意味になります。
よくストレスという言葉と混合される方がいますが、ストレスは「外的な要因によって引き起こされる精神的緊張や身体的影響」を指します。つまり、プレッシャーという周囲からの重圧によって引き起こされる心身への影響がストレスとなります。
プレッシャーは「重圧」と言いましたが、決して悪いことだけではありません。程よいプレッシャーであれば、周囲の期待は、自信ややる気につながることもあります。しかし、それが過度だと感じる期待であればストレスにつながる重圧になってしまうのです。
プレッシャーに弱い人の特徴とは
プレッシャーに弱い人には、思考のクセからくる特徴があります。ここではプレッシャーに弱い人に多い特徴を見ていきます。。
1.責任感が強い
プレッシャーに弱い人には、真面目で責任感が強いという特徴があります。責任感が強いあまりに他人に頼ることができず、必要以上に自分1人で色んなものを抱え込もうとします。
それが自分で自分を追い込んでしまっている状態となり、さらに「失敗できない」とプレッシャーを感じてしまうのです。
2.完璧主義
完璧主義者は細かいところまですべて成功したと自分で認めない限り、成功だと思えません。
また、できることよりも、できなかったことに目線が行きがちであり、「できなかった」「失敗してしまった」という経験を重ねているという思考に陥ります。次に挑むことに対して「今度こそは」とプレッシャーをより感じてしまっている状態です。
3.成功体験が少ない
2.の完璧主義で触れましたが、プレッシャーに弱い人は、他の人が成功だと認識していることでも、失敗だと思い込むクセを持つ人が多いです。つまり、自分が認める成功体験が少ないのです。
成功体験が少ないと人は自信を失っていきます。自信がない状態で周囲の期待を受け、それがプレッシャーになるりいつも通りの力を発揮できない、そしてまた失敗したと思い込むという負のループに入ってしまっています。
4. 他人の目を過度に気にする
成功したという事実よりも、他人から評価のほうが気になってしまう人もプレッシャーに弱いという特徴があります。その理由は、他人に常に見られている、評価されているという思いがプレッシャーに感じているからです。常に緊張状態になっていれば本来の力を発揮できないのも当然です。
プレッシャーに弱いことを克服する3つの方法
仕事をする中では、誰しも少なからずプレッシャーを感じています。冒頭で触れたように、適度の期待から来るプレッシャーはよい刺激となることもあります。ここでは、過度なプレッシャーを克服する方法をご紹介します。
1.プレッシャーに思うことを紙に書き出す
まずは、何を不安に思い、プレッシャーを感じているのかを明確にすることです。それを1つずつ紙に書き出していきましょう。紙に書くことで客観性を持たすことができ、自分が何を不安に思っているのかが見えてきます。
「失敗するかもしれない」という不安があるのであれば、その失敗すると思っていることに残りの時間を使い、準備しましょう。「ここまでやった」という思いは自信につながります。
その不安が「他人からの評価」の場合は、次の2.に進んでください。
2.他人軸ではなく自分軸で物事を判断する
自分が成功したという事実よりも他人からの目や評価を気にしてしまう人は、その思考のクセをやめる必要があります。
自分軸とは、他人に左右されず、自分のしたいことを基準に行動すること、他人軸とは、自分のしたいことよりも他人の意見に左右されることを指します。
自分軸で行動するためには、自分だけで意思決定をする機会を増やしていきましょう。その機会は些細なことで構いません。お昼の休憩時間に同僚とランチに行くときに行きたいお店を提案してみる、本当に自分が食べたいものを注文するなどです。
その経験を積み重ねることで自ら物事を決める習慣がつき、自分の判断基準が明確になっていきます。
3.失敗は悪いことだけではなく経験だと捉える
プレッシャーに弱い人は、失敗を悪いことだと捉えがちです。
失敗は、あなたにとって越えられなかった壁、つまり課題が見えたということでもあります。次はその課題を超えるという目標ができた、成長への伸びしろがあると思えば、失敗は決して悪いことだけじゃないと思えませんか。前向きに捉えることで失敗への恐怖心からくるプレッシャーを軽減することができます。
文・構成/藤野綾子