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自動運転レベル4に対応したEVシャトル「MiCa」に乗ってわかった公共交通の新たな可能性

2023.06.03

BOLDLY(ボードリー)株式会社が2023年5月16日に、自動運転レベル4対応のEVシャトル「MiCa(ミカ)」の発表会を行いました。

自動運転レベル4対応のEVシャトル「MiCa」の実力をチェックしつつ、自動運転技術を活用した公共交通機関の未来をのぞいてみましょう。

自動運転レベル4対応のEV「MiCa(ミカ)」とは?

「MiCa(ミカ)」は、自動運転シャトルの設計・製造を行うエストニア共和国のAuve Tech(オーブテック)が2022年10月に発表し、ソフトバンクの子会社であるBOLDLY(ボードリー)が日本に導入する自動運転レベル4対応のEV(電気自動車)シャトルです。

日本では、少子高齢化に伴う運転手不足や廃線などの公共交通に関する課題が深刻化しています。これらの課題解決策として、自動運転技術を活用した公共交通機関のひとつである「MiCa」の導入が実現しました。

BOLDLYは2022年10月24日、世界初の水素走行自動運転シャトルを含むレベル4の自動運転シャトルの設計・製造を行うエストニア共和国のAuve Techと戦略的協業に合意したことを発表。日本国内における自動運転サービスに関する豊富な知見・ノウハウを持つBOLDLYの協力のもと、「MiCa」の日本仕様車の開発を進めてきました。

そして、2023年5月16日に「MiCa」の日本仕様が発表されました。日本仕様の「MiCa」は、日本の道路事情に合わせた仕様に変更されています。その1つがドアの位置です。エストニア仕様では車体の右側に設置されていたドアが、日本仕様では左側になっています。

今後BOLDLYは、自治体や企業への納入を進めて、2023年度に約10台の「MiCa」を日本に導入することを目指すとともに、社会が抱える課題の解決と自動運転レベル4のモビリティサービスの実現に貢献していくとしています。

Auve Techの共同設立者兼CEO ヨハネス・モッソヴは、「私たちが目指すのは、マイカー通勤を超えた都市型通勤です。自律走行型のラストワンマイル車両は、閉鎖区域や混雑した交通環境において、安全でスマート、かつ持続可能な代替交通手段を提供することでラストワンマイル輸送を強化し、交通セクターの効率化に重要な役割を果たすことができます。BOLDLYのような強力なプレーヤーとの戦略的協業は、Auve Techの新型車両の市場投入を大きく早め、急速に高まる需要に対応するのに役立つでしょう」と述べていました。

少子高齢化に伴う社会問題を解決する1つの方法として、「MiCa」のようなラストワンマイル輸送は今後需要が高まっていく分野だといえるでしょう。

5月16日の発表会においてBOLDLY株式会社 代表取締役社長兼CEO佐治友基氏は「純国産というのはあり得ない時代となっている。ですが、MiCaには日本の技術がかなり詰まっている。MiCaの導入にあたり、地図の作成や日本仕様への変更などはBOLDLYが責任をもって行う」と述べました。サポート体制が万全であることは、これから自動運転車の導入を検討している自治体や企業だけでなく、利用するユーザーにとっても安心です。

BOLDLYは今後、実証走行を進めるとともに、関係省庁から必要な許認可を取得し、2023年夏以降に公道での走行をできるようにするとしています。

また、2023年5月16日の発表会当日、茨城県境町が「MiCa」の購入に関する覚書をBOLDLYと締結しました。茨城県境町では2023年中に「MiCa」を導入する予定となっています。

左から、東京大学生産技術研究所 中野公彦教授、茨城県境町 橋本正裕町長、BOLDLY株式会社 代表取締役社長兼CEO 佐治友基氏、エストニア共和国大使 ヴァイノ・レイナルト氏、Auve Tech クリスチャン・ヴィリポルド氏

【関連情報】BOLDLYがAuve Techの新型自動運転車両「MiCa」を日本へ導入

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