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どこまで進化する!?「レンジローバー スポーツ」にみる高級スポーツSUVの理想形

2023.05.28

ラグジュアリーSUVのトップランナーとしてカテゴリーを牽引してきたレンジローバーがフルモデルチェンジを果たし、兄弟車たるレンジローバー・スポーツも第3世代に生まれ変わった。最新のレンジローバーは上質さに磨きが掛かった点に注目が集まったが、そのスポーティバージョンはどのように進化したのか。大きな期待を抱きながら試乗に臨んだ。

新たに開発されたMLA-Flexプラットフォーム

レンジローバー・スポーツは、文字どおりレンジローバーのオンロードでの走行性能を磨き上げたスポーティ仕様として2004年にレンジローバー・ファミリーに加わったモデルだ。初代はランドローバー・ディスカバリー3と共通の車台をベースに作られて登場。2代目からはレンジローバーと同様のアルミモノコックボディを用い、上質さとともにスポーティな走りも楽しめるモデルとして、アクティブなライフスタイルを実践するユーザーから多くの支持を集めてきた。

そんなレンジローバー・スポーツの3代目は、先代と同様に最新世代のレンジローバーと共通の車体を元に仕立てられた。新たに開発されたMLA-Flexと呼ばれるプラットフォームは、これまでランドローバー社が培ってきた悪路走破性とオンロード性能を十全に発揮できるよう強靭な骨格に仕上げられ、路面状況を問わない極上の走りを実現するべくダイナミックエアサスペンションをはじめとする統合シャシーコントロールを備えている。加えて電動化にも対応できるのもトピックであり、今後はプラグインハイブリッドモデルやピュアEV仕様も登場予定という。

車台の上に纏うボディは、無駄を極限まで省いたシンプルさと力強さが同居するデザインが特徴だ。グリルやライト周りは天地方向に薄い鋭さを増した造形となり、ボディパネルやウィンドーフレームでは段差を限りなく小さくしたフラッシュサーフェス化が著しく、全長×全幅=約5m×2mという巨大なサイズながらも、空気抵抗係数は0.29と空力特性に優れるのもポイント。伝統と先進が融合したスタイルといえるだろう。

それはインテリアにも同じことが言えて、直線基調のシンプルなコクピット周りはデジタルディスプレイによるメーターパネルを配置するとともに、センターコンソールには曲面ガラスの大型モニターをフローティングマウント。Pivo Proと呼ばれる最新のインフォテインメント機能を内蔵して直感的な操作を可能としたほか、最新の先進運転支援システム(ADAS)も完備するなど、機能・装備面でのアップデートも抜かりない。

加えて隙が見当たらないのがその走りっぷりだ。まず何より素晴らしいのが低速域での足さばきで、サスペンションは同じ形式の最新型レンジローバーよりも固めてはあるものの、路面の凹凸を拾った際のショックは角が丸められており、タタンっと小気味よいステップでやり過ごしてくれるのがいい。4輪エアサスペンションが常に適切なエアボリュームで減衰力を調整して車両姿勢を保ってくれているからだろう、高い位置に座っている乗員の体がむやみやたらと揺すられることなく水平移動ができて安心感が高いのだ。

安定した車両姿勢は右へ左へとコーナーが連続するようなワインディングロードでも決して乱れることはなく、これだけの大きな箱を操っているにもかかわらずドライバーの思いどおりに操れるのも美点。これまで様々なスポーティSUVを試してきたが、そのなかでもレンジローバー・スポーツのフットワークとハンドリングはトップクラスといえ、爽快な走りが味わえる一台に仕上がっていた。

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