「もっと頑張らないと」「今日中にこれとこれ、あれもしないといけない」など、気づいたらたくさんのタスクに日々追われていた。だから、もっと頑張らないといけない!……そんな思考に陥っていませんか?
今は踏ん張ることができていたとしても、多くのものを1人で抱え込み続けると、いつしか心と体は悲鳴を上げてしまいます。
頑張るのは決して悪いことではありません。良くないのは、無理をしてまで頑張ることです。本記事では、頑張りすぎる人が陥る思考のクセと、頑張りすぎないコツをお伝えします。
頑張りすぎる人が陥る思考のクセとは
頑張りすぎてしまうのはなぜなのでしょうか。ここでは頑張りすぎてしまう人が陥る思考のクセ(思い込み)に触れていきます。
1.「~べき」と自分を無意識に追い込む
「自分はこうあるべき」、「この仕事は自分がするべき」など、「~べき」という言葉を多用している人は、頑張り過ぎている可能性が高いです。
「べき」という言葉を使ってしまうのは、その行動が本当にあなたしたいことではないからです。だから、無意識に自分を追い込んでまで頑張ってやり遂げようとしているのです。
2.自分よりも他人の要求を優先
自分のスケジュールに余裕のない状況なのに、周囲から新たな仕事を頼まれたら、その期待に無理をしてまで応えようとしてしまう。頑張りすぎる人には、自分のことよりも他人を優先してしまうクセがあります。
このクセの主な原因は、断ることで周囲から嫌われるのではないかという不安があるからです。自分よりも他人を優先して、他人が受け入れてくれる自分を頑張ってまで演出している状態です。
3.「失敗したらどうしよう」という不安が常にある
最初から失敗することばかり考えている人は、自分が失敗しないような安全圏まで頑張り続けてしまいがちです。リスクを回避することは悪いことではありませんが、ここまで求められていないことに対して頑張りすぎていると体と心はどんどん疲弊していくばかりです。
失敗して成果をあげられなかったという過去が実施にあるものに対して不安を抱くのは当然のことですが、このタイプは、普通の人なら失敗にカウントしないことでも失敗だと捉えて自分を追い込みます。例えば、早さを競っているわけではないのに、同僚よりも仕事が少し手間取ってしまったなどでも失敗にカウントしてしまうのです。その失敗を避けるためにもっともっとと頑張ろうとします。
4.人に頼ること=できない人
「人を頼ることは、周囲に自分はできないと言っているのと同じ」というような思い込みがある人も頑張りすぎる傾向があります。
この思考を持つ人は、他人からの評価、周囲からの自分の見え方を非常に気にします。その他人が期待する理想の自分を守るために頑張り続け、心身の疲労にも限界を迎えるまで気づくことができません。
5.他人を信用していない
他人を信用していない人も、4.の人に頼ることができない人と同様に1人で頑張りすぎてしまいます。
他人を信用していない人は、仕事であれば「自分でやったほうが効率良くできる」、「より高いクオリティを出せる」などと思い、すべてを無理してまでも1人で抱えて込んでしまいます。その無理が頑張りすぎるにつながっているのです。
心身が疲弊する前に……頑張りすぎないコツを知ろう
前述した通り、頑張りすぎる人は、思考のクセによって無意識に自分自身を追い込んでいます。その思考のクセをなくすには、新たな考え方のルールを決めることです。簡単に取り入れられる3つのコツをご紹介します。
1.頑張ることを終わる時間を決める
頑張りすぎる人は、その頑張りをずっと続けてしまいます。それを意識的にストップさせてください。具体的には「〇時までは頑張ろう」と終わる時間を設定します。最初には無理にでも実行することで、休息をとったほうが効率良く頑張れることに気づくことができれば、それを習慣化していけるでしょう。
それでも頑張り続けてしまう人は、物理的に頑張るために必要なものなどを視界入れないようにしてみてください。仕事であれば資料などはカバンの中にしまってしまう、寝室には持ち込まないなどです。
オンオフの線引きをしっかりすることができれば、頑張り“すぎる”ことも減っていきます。
2.物事の優先順位や達成するまでの過程を書き出す
思考のクセでもお伝えした通り、頑張りすぎる人は色んなものを1人で抱え込もうとします。「この仕事とあの仕事をやり遂げないといけない」など、全てのことに全力を注ぎます。
その行動をやめるためには、物事の優先順位や達成するまでの過程を書き出すことが有効です。考えていることが複数あると、思考能力は低下して効率性を失い、またエネルギーを無駄に消費してしまいます。
優先順位を決めることで全力を注ぐものが1つに絞れ、達成までの過程を把握することで効率良く進めることができます。
また、書き出すという行為も物事の整理や、物事に客観性を持たすことで新たな気づきを得ることもできます。
3.できなかったことよりもできたことに注目する
周囲から見たら失敗ではないことでも本人が失敗に捉えていれば、それは「できなかった自分」として残ります。人はやり遂げたことよりも、未完のまま終わったことのほうが記憶されると言われています。その記憶が「失敗するかもしれない」という不安を作ります。そしてまた失敗ではないことでも失敗に捉えてより自信を喪失していきます。
そのループを脱するためには、できたことに注目してみましょう。人は自分自身が無理なくできることは当然だと思い込み、自分を評価しないことが多いのです。
人の得意不得意はそれぞれ違います。資料整理や数字を扱う細かい作業が得意な人もいれば、営業などで円滑な人間関係を築く交際術が得意な人もいます。あなたが今当然のようにできていることは決して他人も当然のようにできることではないのです。
自分のできることに注目して、そして自分を評価してください。自分に自信を持つことができれば、失敗にカウントすることも減り、他人に頼ることが仕事ができないこととイコールであるという思い込みをなくすことができます。
文・構成/藤野綾子
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