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「Xperia 1 V」は「iPhone Pro」を超えた!?最新のハイエンドスマホはどこまで進化しているのか

2023.05.28

■連載/法林岳之・石川 温・石野純也・房野麻子のスマホ会議

スマートフォン業界の最前線で取材する4人による、業界の裏側までわかる「スマホトーク」。今回は、2023年ハイエンドスマホの最先端について会議します。

新しいセンサーを搭載した「Xperia 1 V」

房野氏:2023年5月に入ってスマートフォンの新モデルが続々発表されました。今回はXperiaとGalaxyについて語っていただきたいと思います。

房野氏

石川氏:Xperiaのフラグシップモデル「Xperia 1 V」が出てきます。

ソニー「Xperia 1 V」

石川氏

石野氏:SIMフリー版の同時発表が話題ですね。

石野氏

石川氏:そう。端末の進化としては正統というか、まぁ、そうだよねという感じ。新しいチップを搭載して、カメラもちょこっと進化して……

石野氏:ちょこっとはひどい(笑)

法林氏:メインカメラはセンサーが新しくなったからね。

法林氏

石川氏:センサーが新しくなって、他社と同様にピクセルビニング、画素をまとめて明るく撮影できるようになった。

石野氏:Xperiaはピクセルビニングをしたのが初めてで、かつセンサーが新しく画素構造がフォトダイオードとトランジスタとの2層に……

石川氏:内蔵型だったのが分かれた。

石野氏:1インチではないんですけど、センサーサイズが約1.7倍とかなり大きくなり、さらにフォトダイオードとトランジスタを2層式にして感度を上げ、ということで、かなり暗所に強くなっている。これまでセンサーサイズや画素の競争だったんですけど、新たにフォトダイオードという機軸を盛り込んできた。

石川氏:ソニーらしいなと。

法林氏:僕が思ったのは、スマートフォンでデジタルカメラを作る気はなくなったんだなと。ようやくスマートフォンのカメラを作る気になったんだという感じがしました。ピクセルビニングはスマホ技なので、まさにそう。

石川氏:そうですね、ToFセンサーもなくして「AIで判断できる」と。コスト削減の意味もあるかもしれないけど。

石野氏:説明会では「今までAIをやっていないと言われてましたが」と前置きしてAIを強調していましたね。AIをやっていないと言われていたことへの反省の意味もあると(笑) Xperiaは確かに色味や絵作りは見たものに割と忠実というか、デジカメの「α」の絵作りを目指してはいるんですけど、AIを使っていないわけではないってことを改めて強調していました。

法林氏:Xperiaって、もうソニーを退職したけれど(ソニーモバイルの社長が)岸田光哉氏さんの代となり、Xperia 1のシリーズになってから、いかにして〝Xperia α〟を作るかにすごく注力していた感があるんですよ。オーディオもそうなんですけど、本物が持っているオーディオの性能をいかにXperiaに持ってくるか、みたいな感じがすごく強かった。特にカメラはそれが強かった。でも、それでは響くユーザーが限られる。ただですらαシリーズなどの一眼カメラのユーザーが少なくなっている状況で、その人のサブカメラとしてXperia 1を選ぶって、どれだけ小さい市場なんだよって感じだった。それがようやく「αの世界でやっているような絵を、スマートフォンで手軽に撮れますよ」っていう言い方をし始めた。なるほど、ようやくαの呪縛から解き放たれたという感じ。

石川氏:面白いのが、今、Xperiaの開発のトップはαを手がけてきた人なんですよ。トップになって、α色がより強くなるかと思いきや、意外や意外、スマホカメラ的になってきた。

法林氏:相当、言われたんだと思いますね。去年の販売台数の減り方、特に「Xperia 1」は半端じゃなかったと思うんですよ。すごく余ったはず。

石野氏:「Photography Pro」が縦表示に対応するのが衝撃的でした。やっぱり縦で撮りたいという要望が多かったみたいですね。特にVlogerとか、縦撮りの映像をTikTokなどに配信している人たちがいて、その人たちから「横向きでしか撮れないなんてありえない」という意見があるみたいで。

Xperia専用フォトアプリ「Photography Pro」では縦画面での操作も可能に

法林氏:それは当たり前だよね。あと、商品紹介用モードみたいなのができたね。モノを持って撮ると、顔にピントが合っちゃうのが……

房野氏:そのモードだと商品の方にフォーカスが当たる。

石川氏:ソニーは「VLOGCAM」で成功している。VLOGCAMに商品紹介モードがあるので、そこを取り込んできた感じがする。ようやくネットやSNSの支持を狙い始めてきているのかなと。

ソニー「VLOGCAM ZV-E1」

石野氏:少し変わった感じはします。余裕が生まれてきた。

法林氏:Xperia 1 Vはようやくその狙いが出てきたかなと。

石川氏:純正ケースも縦に置けるんですよ。

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