昨年は米国や日本でも歴史的なインフレに苦しめられた年でした。
日本でも円安ドル高の影響による物価上昇を実感している方も多いと思います。
そもそもインフレが発生すると社会にどんな影響を与えるのでしょうか。
そこで今回はマクロ経済を軸に、インフレとは何か、過去に発生したインフレについて検証することで、インフレ発生によって社会にもたらす影響について紐解いていこうともいます。
インフレとは?
インフレとは物価高により同じお金で買えるものが少なくなる状態を指します。つまり、収入に直接的な打撃を与えることになります。
もちろんモノの値段は市場価格によって常に変動していることは、スーパーの野菜の値段が日々変化することで実感するのではないでしょうか。
ではインフレが起きるとどのような変化があるのかというと、ガソリンや食料の値段が一気に上昇することになり、その結果、多くの人々の生活を圧迫します。
つまりインフレとは物価が全体的に上昇することを指しているのです。
そのためガソリンや野菜などの特定のモノが値上がりしてもインフレとは呼びません。
では全体的に物価が上昇しているのかをどのように測るのかというと、代表的なインフレ指標があります。それが消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、卸売物価指数(WPI)、GDPデフレーターです。
【消費者物価指数(CPI)】
消費者が購入する段階での物価を表す代表的な指標です。
これは労働統計局が発表する数字であり、最もメジャーなインフレ指標です。
【生産者物価指数(PPI)】
企業が生産活動に使う原材料や設備価格を表す指標です。
この指標の対象となるのが鉄鋼や石油など、生産者である企業が購入する原材料や設備価格です。
【卸売物価指数(WPI)】
消費者が購入する価格ではなく、小売店が仕入れ段階での商品価格を表す指標です。
【GDPデフレーター】
GDPに含まれる全てのものを対象とした物価指数です。消費者物価指数よりも広範囲の商品を対象としています。
これらの指標のなかでも消費者物価指数とGDPデフレーターがインフレ指標として良く使われています。とはいえ、いつも完璧とはいえませんが、何度かの見直しによってより正確に近い数字が割り出せるようになっています。