小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

オンライン会議中にゴルフ場でティーショット!裁判所が「解雇は妥当」と判断した問題社員のトンデモ行動

2023.05.24

こんにちは。

弁護士の林 孝匡です。

宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。

裁判例をザックリ解説します。

オンライン会議中にゴルフスイングをかました社員が解雇された事件です。

裁判所は「尊大な態度だ!」とお怒り。そして「解雇はOKだ」と判断。

スイングブンブン + 協調性のなさも理由に挙げてます。

以下、分かりやすくお届けします(インジェヴィティ・ジャパン合同会社事件:東京地裁 R4.5.13)

※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換

登場人物

▼ 会社

・化学製品の販売などを行う会社

▼ Xさん

・男性(当時53歳くらい)
・化学製品を取り扱う事業の責任者

解雇されるまでの流れ

入社して約9ヶ月後に解雇されています。ザックリした流れはこんな感じです。


2019
3.27 入社

いろいろと問題行動を起こす

10.18 自宅待機命令 

12.19 解雇


解雇の理由は、就業規則に書かれている「勤務成績または能率が不良で就業に適さないと認められた場合」にあたるというもの。

Xさんは「解雇は無効です」と訴訟を提起。

どんな問題行動があったのか?

裁判所は「解雇はOK」と判断。問題行動を見ていきましょう。
(化学製品などの専門用語バッキバキなので要約しますね)

▼ 協調性が、ねぇ

他の従業員から製品についての援助の要請を受けたときのこと。Xさんはこんな回答をしました。

「あなたが必要な情報を得るために●さんと●さんに尋ねてください」
「2人はすでに日本の倉庫会社にあったことがあります」
「私は、情報を得るために彼らが代わりに彼らに連絡するべきであると提案します」

何か…イラっとしますね。機械みたいだし。

あとは以下のようなことも。


・必要のない業務について部下に指示を出し、成果物が不十分であると非難する
・共有すべき情報を提供しなかった
・新人から協力の要請を受けたのに機械的な指示しかしなかった
・顧客がアポイントの時間変更を要望したのにスルー
・最大の顧客である●社は「担当をXさんから変えてほしい」と要望


▼ 嫌味メール

裁判所
「あと、他の社員に嫌味ともいえるメールも送っていますね」

ーーー どんなメールですか?

裁判所
「Xさんは携帯電話が自分に手配されないことに不満を持っていました。その不満を伝える時に『(私は)会社に嘆願されて入社した正社員』と尊大に表現したりしてました」

ーーー ウザいですね!

裁判所
「・・・」

裁判所はムダな会話には乗ってきてくれません。

▼ ブンブン!

なんと。Xさんはオンライン会議中にゴルフスイングをかましました。

Xさん
「PCが勝手にアクセスしてカメラのスイッチが入り、偶然にゴルフスイングの場面が映ったにすぎません」

裁判所
「んなアホな(そのような事態は想定し難い)」

裁判所は「このブンブンは尊大な態度だ」とお怒り。

▼ 取引先をイジる

Xさんが他の社員に送ったメール中で、取引先を「四国の無名の中小企業様」と記載。

▼ 改善の見込みナシ

ほかにも色々な問題行動があったため、裁判所は「改善の見込みがない」「配置転換したとしても問題の解消は期待できない」と判断。

Xさん
「●さんや▲さんと顔を合わせない勤務体系(フレックスタイム制や在宅勤務)を認める余地があります」

裁判所
「いや、あなたが両名に送ったメールを見ると在宅勤務などにしたところで問題は解消しない」

というわけで解雇はOKとなりました。

「仕事ができねーから解雇」ってほぼ認められないんですが、協調性のなさが裁判所の沸点を超えると解雇OKになっちゃいます。裁判所は「尊大な態度」に敏感かもしれません。

コチラの裁判例もどうぞ

チャットでおしゃべりしまくってた社員が懲戒解雇された事件です。

1日300回以上、 2時間くらい花を咲かせていたようです。

会社のチャットでおしゃべりしまくっていた社員が懲戒解雇された理由

こんにちは。弁護士の林 孝匡です。 宇宙イチ分かりやすい解説を目指しています。 裁判例をザックリ解説します。 チャットでおしゃべりしまくってた社員が懲戒解雇され...

裁判所は「懲戒解雇はOK」と判断しました。

大暴れは、ほどほどに!

今回は以上です。「こんな解説してほしいな〜」があれば下記URLからポストして下さい。また次の記事でお会いしましょう!

取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
webメディアで皆様に知恵をお届け中。「こんなこと解説してくれや!」があれば、下記URLからポストお願いします。
 https://hayashi-jurist.jp(←プロフィールもコチラ)
 https://twitter.com/hayashitakamas1

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。