ニーズの多様化に合わせて。性別問わず使えるジェンダーレスコスメ
マニフィークから登場した新しいスタイリング剤とヘアトリートメント(各1,650円 税込)。
メンズでメイクアップアイテムに続いて好調となっているのが、ヘアケア・スタイリング剤。2023年3月の売上げは前年同月比で約128%を推移し、特にアウトバス商品が注目されている。
幅野さん「カラーやパーマでダメージを気にしている男性が増加し、それに伴ってアウトバスで髪の毛をケアできるアイテムの売り上げが伸びています。ヘアオイルはスタイリング剤としても使用でき、自然な束間でナチュラルにセットする今のトレンドとも合致していますね」
センターパートなどナチュラルなスタイリングが流行っている中、短髪でしっかり固めたい人、乾いたマットな質感を求める人など、ニーズは多様化しており、企業もそれに合わせた商品を展開している。コーセーのジェンダーレス発想のメンズケアブランド「マニフィーク」からは2023年3月に5種類のヘアスタイリング剤が登場。四角いボックスのような見た目は同じだが、中身はジェル、ワックス、グリース、バームとニーズに合わせた剤形となっている。女性のヘアスタイルでも使いやすいバームタイプは、性別問わず人気が出ると、幅野さんも予想する。
若い世代は女性用、男性用と気にせずにコスメを購入する人が増えているが、全世代を見た時にはまだまだ女性用のコスメを男性が購入することに抵抗がある人の方が多い。ロフトでは多彩なニーズに応えるような商品展開を考え、大きな店舗を中心に女性用のコスメでも男性に人気の高いものはメンズコスメ売り場に並べ、男性が購入しやすいように工夫している。
Z世代を筆頭にメイクアップコスメへのニーズが高まり、それに応える形でさまざまなアイテムが登場しているメンズコスメ市場。昨年までは美容初心者の男性も気軽に試せるスキンケアが顕著に伸びていたが、それ以上にメイクアップコスメの人気が高まっているのは、新しいトレンドだ。男性の細やかな悩みを解決するような最新コスメに、今後も目が離せない。
取材・文/小浜みゆ