シャープのスマートフォンシリーズ「AQUOS」は、2023年5月9日に新製品を3モデル発表。昨年同様、ハイエンドモデルの「AQUOS R」シリーズと、エントリーモデルの「AQUOS wish」に新機種が登場しています。
注目は、AQUOS Rシリーズの最新モデルが、「AQUOS R8 pro」と「AQUOS R8」の2モデルに分かれている点。シャープによると、AQUOS R8 proが従来のハイエンドモデルライン、つまり「AQUOS R7」の後続機であり、AQUOS R8はハイエンドであるものの、少し最上位モデルからは少しランクを下げたスペックとなっています。イメージとしては、iPhone 14 ProとiPhone 14の関係に近いでしょう。
年々、スマートフォンのハイエンドモデルはカメラ、処理性能といった各種スペックが向上しているのと引き換えに、値段が高騰してきているため、最新モデルが欲しいものの、なかなか機種変更に踏み切れないという人も多いはず。今回登場したAQUOS R8は、こういったユーザーに向けた、高性能と手軽さのバランスに注力された、〝隙間〟を狙った端末となります。
本記事では、最新機種であるAQUOS R8とAQUOS R8 proの特徴や違いを、実機写真とともに紹介していきます。
標準ハイエンドモデル「AQUOS R8」と上位ハイエンドモデル「AQUOS R8 pro」の特徴は?
まずはAQUOS R8とAQUOS R8 proに共通する特徴を確認していきます。
ハイエンドモデルということもあり、両モデルともにチップセットにはSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platformを搭載しているのですが、注目は高性能なチップセットに付き物の発熱をどう処理するのかという点です。
AQUOS R8、AQUOS R8 proでは、前モデル同様に背面中央に円形のカメラユニットが配置されていますが、このレンズの周囲に放熱機構を搭載。ソフトウエア面で熱を抑えるよう、各アプリに無駄なエネルギーを入れないように工夫しながら、発生した熱はカメラリングに誘導する設計になっています。これにより、AQUOS R7比で60fpsでの動画撮影が最大2倍、高負荷ゲームプレイ時にフレーム落ちが体感できるまでの時間は最大3倍となっています。
カメラの長時間駆動や、負荷の大きいアプリゲームなど、実際に発熱が考えられるテストはできていないので、どの程度の放熱性能があるのかは不明ですが、特許出願済みの新技術ということもあり、期待の持てる新設計といえます。
もう1点共通の新技術として挙げられるのが、ディスプレイの仕様です。両モデルともにディスプレイにはPro IGZO OLEDが採用されており、リフレッシュレートは1Hzから240Hzの可変式を採用。新機能というよりは、仕様が進化したポイントではありますが、前モデル比でブルーライトが約50%抑制されており、長時間の使用でも目の負担が少なくなっています。
搭載カメラのイメージセンサーはAQUOS R8が1/1.55、AQUOS R8 proが1/1と違いますが、どちらも前モデルに引き続きライカカメラ社監修の高性能となります。新たに花火モードや、ペット(犬と猫のみ)を追尾する機能など、主にソフトウエア面で、カメラ機能も進化しています。
また、別途レンズフィルターが取り付けられる専用ケースも販売されます。近年はソフトウエア、AI性能の向上が目覚ましく、簡単な加工であればスマートフォン1台で完結するものの、複雑な加工を写真全体にかけるという意味ではまだまだ物理的なフィルターにかなわない部分も多くあります。ライカカメラ社監修の高性能カメラをより多彩な演出で楽しめるので、気になる人はぜひ手に取ってみてください。
そのほか、両モデルともおサイフケータイ機能や2種類(顔+指紋)の生体認証、SIMカードとeSIMのデュアルSIM運用に対応しています。