新NISA開始の発表やコロナ期の投資ブームにより、最近では資産形成に目覚め、節約・貯金に取り組む方も多くなってきました。その中には「目指せ資産1億円」という具体的な資産額目標を立てていたり、莫大な資産を貯めて早期退職(FIRE)することを夢みている方もいるかもしれません。実際に私自身も「資産5000万円で早期退職する」ということを目指し、そのために極端な節約生活を取り組んだこともあります。もちろん、「お金を貯める」という目標を目指すにあたっては、節約はプラスに働きます。ただ、貯金をするために、ひたすら節約し続けることが、必ずしも人生において良い選択とは言えない場合もあるかもしれません。
貯金額=失った人生経験
貯金の金額が増えていくことは資産形成におけるひとつの楽しみであり、日ごろの節約の努力が報われる瞬間です。そして、さらなる節約のモチベーションにつながるかもしれません。ただすでに頑張って節約をしている人に少し考えていただきたいのは、「貯金額=失った人生経験」だということです。お金は使い道にもよりますが、友達と美味しい物を食べたり、旅行に行ったり、といった人生経験に代えることができるものです。そして、節約してお金を増やしていくことが目標になってしまうと、そのような人生経験を味わうことよりもお金を貯めることを優先してしまいがちです。ただ本質的にはお金を貯めるという行為は、「お金がなくて困ることがないように」「人生を豊かなものにするため」という目的の手段にすぎません。それがいつの間にか、お金を貯めるという行為が手段ではなく目的にすりわってしまっているケースが非常に多いです。
実際に知人の節約失敗談として、「毎月10万円は貯金したい」という目標が重荷になってしまい、「食事や遊びの誘いを断るようになってしまった」「せっかく遊びにいってもお金が減ることが嫌で楽しめなかった」という話があります。幸せを掴むために貯金をしているはずなのに、それが結果として不幸を招いてしまっているのです。
若いうちほど人生経験の価値が大きい
海外旅行などお金を使って得た人生経験によって、価値観が変わるということを往々にしてよくあることです。そしてその価値観の変化は今後の人生に大きな影響を与え、豊かなものにしてくれるでしょう。特に20代でそのような人生経験をするのであれば、今後60年あまりの長い人生に影響を与えます。一方で60歳になって初めて海外旅行に行き、人生観が変わったとしても、若者に比べその経験が人生に影響を与える期間は短くなってしまいます。つまり、同じ金額の人生経験であったとしても、若いうちの経験の方が人生に大きな影響を与えてくれるため、コストパフォーマンスに優れているといえるのです。
また、60歳で初めて海外旅行・高級ディナーといった貴重な体験をしても、人生における時間や体力を考えると、何度も行けるわけではないでしょう。このため、若いうちにあえてお金を使っていろんな経験をしておくことで、自分の感性に刺激を与えたり、今後の人生でどんな経験がもっとしたいことはなんなのか、ということを明確化しておくことが重要です。
仮に1億円を貯められたとしても…
資産形成においてキリの良い金額というのは目標にしやすく、「1億円を築きたい」と思っている人もいるかもしれません。ただ、コツコツ資産形成を行ったとしても、1億円を築くには、日々の節約による貯金と長い歳月が必要になります。そして、1億円を貯めるために、20代・30代で節約生活をして人生経験を積まず、老後を迎えたとしても、残るのはお金だけです。
もちろん、「頻繁に旅行に行くせいで家計が火の車だ」「飲み会でついついお金を使いすぎて…」という方は節約も必要かもしれません。ただ一方で、すでに節約を取り組んでいる人の中には、本来お金を投下すべき人生経験に対しても節約してしまっている人もいるかもしれません。お金を貯めることはあくまで「人生を豊かにするという目的」の手段にすぎないということを忘れないようにしましょう。また、もし貯金残高が増えて喜んでいる自分がいたら、「失った人生経験はないのか?」と自問してみましょう。もしかしたら、とり逃してしまっている人生経験があるかもしれません。
文/ぽんちよ
投資系YouTuber。2019年10月からYouTubeチャンネル『投資家ぽんちよ』を開設し、投資や副業、セミリタイアに関わることを発信している。サラリーマンとして働きながら活動していたが、2022年3月にFIRE達成。YouTubeチャンネルはこちら
発売前に即重版決定!人気VTuber・犯罪学教室のかなえ先生の話題作「人生がクソゲーだと思ったら読む本」の気になる中身
第1章 学校・受験の悩み
●学歴社会では才能よりも「親の資金力」が重要なの?
●スポーツ推薦なら頭の悪い人でも高学歴になれるってどうなの?
●いじめられたくないから、不登校。これで人生が詰みなんて理不尽だよ。
●校則に従わないと内申点が下がるのはなぜ? 勉強で評価してよ!
【コラム】初めて 人生がクソゲーだと感じた「不登校児になった小学校時代」の話
担当編集が読んだ感想:主に学生さんのお悩みを中心に解答したこの章。「前向きに考えたほうがいいよ」と寄り添うシーンもあれば「それはアナタ自身のバグです」とばっさり切り捨てる場面も。「それ、アナタの感想ですよね?」と答える様子は、ひ○ゆき氏を彷彿させた。
第2章 仕事・会社の悩み
●なぜ採用には「学歴フィルター」がある? もっと学生の内面を見てほしい!
●誠実な人ほど損をしがちな嘘つきだらけの就活が許せない!
●頑張ることが当たり前……。自分の成長よりも社会の進歩が早すぎて息苦しい。
●パワハラ・セクハラするクソ上司エンカウント時の対応求ム!
●働けない人は生きる価値がないのか? 病んでる自分が嫌になる。
【コラム】 国家公務員からニートへ……クソゲーセカンドステージが始まった話
担当編集が読んだ感想:相談者さんの悩みに対し、具体的な対処法が多く出てくるパートです。特に就活を控えているor就活中の大学生は必読な内容が盛りだくさん……ですが、あまりにズバッと切り込んでくるので、読んでも凹まないでくださいね。
第3章 SNS・ネットの悩み
●なんでみんなデマや陰謀論に巻き込まれるのか?
●フォロワーが多い方が偉いみたいな風潮がツラい。
●成功者が可視化されていき、自分の立ち位置を突きつけられる。
●晒しや暴露が英雄視されちゃう最近の風潮、ヤバくない?
【コラム】ネット活動者になってクソゲーを楽しめるようになった話
担当編集が読んだ感想:スマホの普及によりインターネットを通じて世界中のことを一瞬で知ることができるようになりました。でも、便利になったはずなのに息苦しさを感じませんか? このパートでは現代人、主に社会人が抱えることの多い悩みに答えています。なお、この中のひとつは担当編集の個人的な悩みです。
第4章 友人・恋人の悩み
●私にだけ友人ができないのはバグ? どうしたらできる?
●外見が良いだけで性格が悪い人が評価されるのが許せない。
●俺がモテないのはバグ? 足りないのはどんなスキル?
●人間関係に疲れやすいのは私だけ? ただのスキル不足?
【コラム】他人に期待しないから傷つかないし、負けることも悔しくないという話
担当編集が読んだ感想:笑って読み飛ばせる内容が多いこのパート。「俺が持てないのはバグ?」の項目にて、怒涛の質問に気圧されるかなえ先生の様子は、普段の配信では見られない姿かもしれません(笑)。
第5章 生まれの悩み
●「親ガチャ」に成功していれば大学に行けて、もっと幸せだったんじゃないか?
●結婚しないと親からネチネチ小言をいわれて腹が立つ
●性的少数者であることを親が受け入れてくれない。
●発達障害を持たせて産んだ親を今でも恨んでいる。
担当編集が読んだ感想:このパートでは深刻な悩みが多かったからこそ、先生に一番最初に頂いた”生原稿”を極力そのまま掲載しました。先生のまっすぐな言葉が、生まれ持っての生きづらさや、自分ではどうしようもない環境による苦しさに苛まれる人の心を少しでも軽くできると願っています。
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教えてかなえ先生!自分をアシ代わりにしようとする友人とどう付き合うべき?
過酷な環境に晒されつつある現代のビジネスパーソンの悩みは多い。だが、日々直面する課題の中には、私たちの人生をより豊かにするためのヒントが詰まっているという。異色…
教えてかなえ先生!すぐに怒鳴る上司に対して沸き起こる怒りへの対処法
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