マクロミルはオープンデータとして国内唯一である、ウィークリー生活者定点観測調査『Macromill Weekly Index』の過去10年間分のデータを使って、新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)が変えた生活者意識の分析を試みた。
本調査では2019年12月までを「Beforeコロナ」、2020年1月から2023年4月までを「コロナ流行期」、2023年5月以降を「Afterコロナ」と定義している。
コロナを境に「自宅の特別な食事」が増加。「食事会・飲み会」はコロナで大きく減少するも回復トレンドに
購入品目の指標は「1週間に買ったもの・サービスは何か」という設問に対し、23カテゴリーの選択肢を用意。複数回答で聴取している。そのうち、「食事会・飲み会」「家族との外食」に着目した。
コロナ流行期に入り、飲食店の休業や緊急事態宣言によって、「食事会・飲み会」「家族との外食」は急激に減少した。増加・減少を繰り返しながらの回復トレンドではあるが、行動制限が解除・緩和された現在も、Beforeコロナの水準には戻っていない。
また、「食事会・飲み会」の減少は、コロナの影響だけではなく、長期的な低下トレンドにあったことがわかる。
一方、「自宅の特別な食事」は、Beforeコロナを上回って推移しており、底上げされた可能性がある。コロナと長期変動の2つの影響によって、飲食スタイルはこの10年間で大きく変化したと言えるだろう。
先行きの景況感は消費税の増税で下降。ピークは「緊急事態宣言発令1回目」
景況感DI(先行き)は、「2~3か月先の身の回りの景気が、良くなると思うか、悪くなると思うか」という設問に対し、「良くなる(100)」「やや良くなる(75)」「変わらない(50)」「やや悪くなる(25)」「悪くなる(0)」と回答した割合による加重平均値を算出している。
先行きの景況感について10年間を振り返ると、2014年の消費税の5%から8%への引き上げ時に1つ目の谷、2018年後半頃から下降を始めて2019年の消費税の8%から10%への引き上げ時に2つ目の大きな谷が確認できる。
そして、10%への引き上げからわずか3~4か月後のコロナを境に、過去10年間類を見ないほどに急下降した。ピークは「緊急事態宣言発令1回目」で、コロナへの不安や恐怖、経験したことのない未曾有の事態から、多くの生活者が、先行きの景気に対する大きな不安を抱えていたことがわかる。