コロナを境に生活気分の起伏が激化。“ポジティブ”は減少を維持するがWBCで最高スコアを記録
生活気分の指標は、「この1週間、どのような気分で過ごしたか」いう設問に対して、ポジティブ4項目とネガティブ4項目の合計8つの選択肢を用意。複数回答で聴取している。
Beforeコロナ期は、正月、ゴールデンウィーク、お盆休みといった季節的要因で、ポジティブ・ネガティブともにスコアが周期変動していた。
しかしコロナ流行期に入ると、ポジティブ・ネガティブともに、突発的な出来事やイベントによる影響で、生活者の感情は大きく変動するようになった。特徴が特に現れた「うれしかった」「悲しかった」の指標を観察する。
「うれしかった」は、コロナ流行期に入り急下降し、現在も平均的には低い水準で推移している。2021年に開催された「東京2020オリンピック」で急上昇したほか、記憶にも新しい2023年3月の「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」での日本代表の優勝で、過去最高のスコアを記録した。
Beforeコロナ期もスポーツの大会が度々開催されてきたが、「うれしかった」という感情の起伏は、コロナ流行期に比べて小さかったことがわかる。
ネガティブな感情はコロナを境に急上昇。著名人の訃報や大事件・事故による影響大きく
一方、「悲しかった」はコロナ流行期に入り急上昇した。特に著名人の訃報や痛ましい事件・事故の報道によって急上昇。ポジティブ指標と同様に、ネガティブ指標でも、Beforeコロナに比べて、感情の起伏が大きくなったことが一目瞭然となっている。
このように、生活者の感情・気分は、コロナを境に構造的な変化が生じた。
Beforeコロナは、個人の日常生活の反映による季節周期でしたが、コロナ流行期は、ポジティブ・ネガティブともに、突発的な出来事やイベントが影響し、生活者の感情起伏が激しくなった。
これは、日常生活の制限やコロナ関連報道によって、感情や気分を決める心理的基準点が変化。情報や出来事に対する感応度も高くなった可能性がある。
同社では「まもなく始まるコロナの5類移行によってBeforeコロナの水準に戻るのか、可塑性を判断するために、今後も観測や分析を継続してまいります」とコメントしている。
関連情報
https://www.macromill.com/press/release/20230428.html
構成/清水眞希