水の硬度によるコーヒーの味の違い
ところで、硬度によってコーヒーの味は変わるといわれる。どのように変わるのだろうか。柏倉氏に、まずはミネラルウォーターを使ってコーヒーを淹れたときの味の違いを教えてもらった。
「硬度は好みによって使い分けるのが良いでしょう。ここでは硬度が0~120mg/lを 『軟水』、120mg/l以上を『硬水』と定義します」
●軟水のミネラルウォーター使用
・まろやかな甘さ・酸味が際立つ
・飲みやすく、コクや香りもしっかり感じられる
●硬水のミネラルウォーター使用
・酸味が消え、苦味が際立つ
・硬度が高くなるほど苦味のしっかり感が強まる
また水道水は、地域によって硬度が異なるといわれる。
「日本でも地域によって水道水の硬度や水質が異なるため、地方ごとにコーヒーの味に合わせた水の使用を推奨されることもあります。以下に代表的な地方の水道水の特徴を紹介します」
● 北海道・東北地方
軟水で、コーヒーに合うといわれる。
● 関東地方
やや硬めの水質で、コーヒーにはあまり適していないといわれる。
● 中部地方
硬めの水質で、コーヒーに合うといわれる。
● 近畿地方
硬めの水質で、深煎りの豆を使用する場合に適しているといわれる。
● 中国・四国地方
硬めの水質で、コーヒーに合うといわれる。
● 九州地方
やや硬めの水質で、深煎りの豆を使用する場合に適しているといわれる。
水道水でコーヒーを淹れる際には、硬度や水質を選ぶことをはじめ、その他のノウハウをぜひ実践してみよう。
【取材協力】
村田果穂氏
UCCコーヒーアカデミー講師
2004年入社。神戸のコーヒー博物館に併設された店舗「コーヒーロード」の店長などを経験しつつ、「ジャパンブリューワーズカップ2014/2015」にて準優勝を果たし、COE(カップオブエクセレンス)国際審査員の側面も持ち合わせるコーヒーのスペシャリスト。「CQI認定 Qアラビカグレーダー」「マイルドコーヒー クオリティコントロールスペシャリスト」などの国際資格も取得。
UCCコーヒーアカデミー講師として活躍するだけでなく、コーヒーの買い付けや製品開発も行う。2020年11月からはYouTubeコンテンツ「UCCコーヒーアカデミー」のMCを担当。
UCC COFFEE MAGAZINE「コーヒーの世界を広げる“橋渡し役”になりたい [COFFEE CREATOR’S FILE 08 村田果穂]」
参考
コーヒー機能付き浄水型ウォーターサーバー「every frecious tall+cafe」
柏倉元太氏
日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエ
「コーヒー豆の香りから始まるひと時を…。」をモットーに、国内最大級のコーヒー情報WEBメディア「コーヒー豆研究所」を運営。コーヒーに関する役立つ情報を専門家監修のもと発信している。コーヒー豆やバリスタ、スタバなどのジャンルも特化しており、コーヒー初心者から上級者まで多くの読者がいる。独自ブランドのコーヒー豆も「ラボカフェ」で販売中。
●コーヒー豆研究所
●ラボカフェ
文/石原亜香利