コーヒーソムリエに聞く、水道水で淹れたコーヒーがあまり美味しくない理由
もう一人のコーヒーのプロは、日本安全食料料理協会(JSFCA)認定のコーヒーソムリエである柏倉元太氏だ。
自宅で水道水をそのまま沸かして淹れたドリップコーヒーは、なんとなく美味しくないと感じたことがあるのではないだろうか。一体、なぜ? 柏倉氏に尋ねたところ、次の3つを挙げる。
・カルキの臭いがコーヒーの香りの邪魔している
・水道水に含まれる、藍藻類(らんそうるい)や放線菌が邪魔をしている
・鉄分が味を変えている
その他にも、コーヒー豆の品質や焙煎方法などもコーヒーの味に影響を与えるという。
●水道水でも美味しくなる淹れ方
とはいえ、自宅では水道水を使わざるを得ないことも多い。水道水で美味しいドリップコーヒーを淹れるには? 柏倉氏によれば、次のポイントに注意すると良いという。
1.水の質を改善する
「水道水の味や質が悪い場合は、浄水器やろ過器を使って不純物を除去し、水道水の味や質を改善することができます」
2.水温を調整する
「コーヒーは、水温がおよそ90度から95度の間で抽出されることが理想的です。電気ポットなどで沸かしたお湯が高温すぎる場合は、少し冷ましてから使用するか、水道水を沸かして冷ました水を使用するなど、適切な温度に調整するようにしましょう」
3.コーヒー豆の質を選ぶ
「コーヒー豆は、豆の品質や焙煎方法によって味が異なります。新鮮で良質な豆を選ぶようにしましょう」
4.コーヒー豆を挽く
「コーヒー豆は挽いた直後に淹れることで、豆から香りや味を引き出すことができます。挽いた豆はできるだけ早く使用するようにしましょう」
5.抽出時間を調整する
「ドリップコーヒーは、およそ3分間で抽出するのが理想的です。抽出時間が長すぎると、苦味が強くなります。短すぎると、酸味が強くなります」
これらのポイントに注意して、適切な量の豆と水を使用し、抽出時間を調整することで、美味しいコーヒーを淹れることができるという。