2023年度も1か月が過ぎようとする中、新社会人にとっては職場の雰囲気に分かってきた理、初給料をもらった人もいる頃でしょう。ただ同時に、給与面や環境面で不満や後悔が生じてきて、「就活に失敗した」と絶望を感じ始めている人もいるかもしれません。そして、キャリア形成の一番最初で躓いた新社会人の中には、この先どのようにすればいいのか、と途方に暮れる人もいるでしょう。
最初の職場で失敗したと思ったら、目指せ早期退職・FIRE?
終身雇用の文化が根強かった時代には、「新卒から定年まで1社で勤めあげる」というのが常識でした。ただ現在では、転職も一般化するほか、ある程度の資産を築き早期退職するFIREという道もあります。
その中でもFIREは、労働収入に依存せず投資などの資産収入を得て自由に生きていくということで、いま若者の中でも志す人も増えています。また私自身も一番最初の職場でストレスを抱えたからこそ投資や副業に取り組み、いまFIRE生活を謳歌しています。
副業や投資を経て、2023年3月にYouTubeで早期退職したことを動画で報告
ただ、新社会人が「職場にストレスを感じているからFIREを目指す」というのはおすすめできません。そもそも、資産収入で生きていくためには数千万円規模の大きな資産が必要になり、その金額を貯めるには長期的な資産形成が必要になります。このため、現状の自分の職場ストレスの改善が見込めず、解決策にならないからです。
石の上にも三年は正しいのか…?
ひとによっては上司に「3年も働けば仕事に慣れる」「ここでやっていけないやつは、どこに行ってもダメ」といわれた人もいるかもしれません。もちろん、仕事に対するストレスは、時間や慣れが解決することがあるのも事実です。また、入社して数日でその職場の良し悪しを決定するのは早計かもしれません。ただ、必ずしも職場で上司の言ってることが正しいわけではないこともあります。そもそも3年間で業務に慣れ、ストレスが減ったとしても、その仕事にやりがいを感じないのであれば、慣れることはあっても仕事を楽しむことはできません。また、もし転職を最終的に考えているのであれば、第二新卒という転職市場における市場価値が高い期間を無駄にすることになります。
さらに、人には適材適所があり、向いている仕事や向いていない仕事があります。転職経験がない上司が「ここでやっていけないやつはどこに行ってもダメ」と言っている場合もありますが、なぜ他の職場を経験していない人がそのようなことを言えるのでしょうか?
職場環境にストレスを感じるであれば、今やるべきことは?
「継続は力なり」など日本人には、何かを続けることが美徳とされてきました。このようなかことから新社会人にとって、転職とは「途中で仕事を辞めるのは情けない」「一つの仕事を続けられなかった」などのネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。また、特に転職経験者が少ない職場では、「転職=異端」なイメージを持たれるかもしれません。ただしそんなことは全くなく、例えば私がYouTuberとして仕事柄接する機会の多いネット広告業界では、数年に一度単位で頻繁に転職が行われています。転職は「仕事を辞めてしまった」「続けられなかった」などのネガティブな印象は全くなく、むしろ、キャリアの軌道修正やステップアップといったポジティブな側面が強いです。
また、転職といったらハードルが高く感じるかもしれませんが、いまや転職サイトや転職エージェントに登録するだけで、簡単に始めることができます。そして、もしかしたら同業種でも、今の職場よりもっと条件の良い職場があるかもしれません。
もし今、職場ストレスに耐えかねているのであれば、長期の資産形成プランを組んでFIREを目指すことよりも、転職の方がよっぽどストレス改善の近道になるのです。
社会人になってから人生を改善するために必要なことは?
社会人になる前までは、テストや受験といった横並びのタイミングで、指定された範囲を勉強していくことで、人生のステップを登っていけました。もちろん、今の職場に留まるのであれば、日々仕事をこなしていくことで昇任試験などのステップアップのタイミングが自動的に訪れるでしょう。ただ、もし今の職場に不満を抱えており、現状を変えようとするのであれば、転職などの何かしらのアクションが必要になります。つまり自分で動き出す力が重要になってきます。また、学生時代と違って、いつ転職活動を始めるのか、どのタイミングで転職するのか、というのは自分で決めて踏み出していかなければいけません。ただ忘れてほしくないのは、たとえ最初の職場選びで失敗したとしても、自分で動き出せば人生はどうとでも変えていけるということです。
文/ぽんちよ
投資系YouTuber。2019年10月からYouTubeチャンネル『投資家ぽんちよ』を開設し、投資や副業、セミリタイアに関わることを発信している。サラリーマンとして働きながら活動していたが、2022年3月にFIRE達成。YouTubeチャンネルはこちら