こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
裁判例を解説します。ザックリこんな戦いです。
ファイト!
Xさん(社員)
「一方的に給料を60万円から48万円に減額されました」
「減額前の給料を払ってください」
会社
「いやいや」
「3年くらいアナタは文句を言わずに受けとってますよね」
「それをいまさら…」
ーーー 裁判官、どうですか?
裁判官
「Xさんの勝ち!減額に合意してないね」
「324万円はらいなさい」
以下、分かりやすく解説します(NEXX事件:東京地裁 H24.2.27)
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話風でお届けします
登場人物
▼ 会社
・電子機器の販売などを行う会社
▼ Xさん
・マネージャー(製品マーケティング)
・正社員
・月給 約60万円
どんな事件か
月給が約60万円になってから1年ちょっと働いていたんですが、ある日・・・
▼ 集合!
社長が説明会を開きました。社長の口から出た言葉は【給料を下げたい】というもの。理由は、売上げが振るわないというもの。
対象者は以下の3名でした。
・管理部長(社長の妻)
・Xさん
・Aさん
説明会ではXさんは異議を述べませんでした。
▼ 給料ダウン!
というわけで、月給が以下のとおりダウンしました。
月給60万円 → 月給48万円
▼ 3年くらい文句を言わず
それからXさんは文句を言うことなく、ダウンした給料をもらい続けていました。
▼ 解雇される
Xさんは解雇されます。解雇した理由はザックリ以下のとおり。
・業務命令の無視
・何度も居眠り。注意しても改善せず。…etc
Xさんが訴訟を提起
Xさんの主張は以下のとおり。
・解雇は無効です
・給料の減額は無効です。差額を払って下さい
…etc