サバゲー、JK、ドローン、その土地ならではのアイデアが生んだ「ネオ町おこし」事例4選

2023.04.30

「ドローンのまち」広島県府中市が挑む話題のプロジェクトとは？

古くから“ものづくり産業の町”として名高い広島県府中市。目指しているのは、『小型無人機ドローン』が活躍する町だ。

2022年に始動した「ドローンネイティブシティびんご府中プロジェクト」。その実現に向け、活動を続ける広島県府中市に、話を聞いた。観光・地域ブランド推進課が語る、ドローンへの想い、そしてプロジェクトの全貌とは？

「私どもが行っているプロジェクトは、府中市を中心にドローンに関する幅広い産業や人材、研究機関が集積し、「ドローンが当たり前に活躍するまち」の実現に向けたプロジェクトです」

「ドローン実証実験の実施及び支援などを行う「ドローンワンストップ窓口」と、ドローンに関心のある市民、企業、団体が技術を共有し活性化させる「ドローンコミュニティ」を軸に、より効果的で効率的な活動を進めております」

そもそも府中市が「ドローンのまち」を目指したきっかけは地元有志による航空大学の誘致活動だったとか。大学誘致基本構想策定をスタートに、ドローンに特化した設備の充実や市立公立学校でのドローンのプログラムミング授業などを実施。

また、民間企業でもドローンの製造企業設立やドローンスクールを開校するなど、官民一丸となってプロジェクトに力を注いできたという。

ちなみに、昨年行われたドローンレースには全国から54人のレーサーが参加。今年2月のドローンフェスでは、ドローンの企業展示やドローンサッカー、プログラミングドローンなどの体験会を行い、2000人以上が来場。大きな話題となった。

そんな中、トンデモない場所でのドローンレースも行われた。

それは、お寺でのドローンレースだ。

2019年、広島県府中市のお寺・釈迦院で、賞金付きFPVドローンレース『JDRA TINYWHOOP JAPAN CUP』を開催。これは、一般社団法人日本ドローンレース協会が、ふちゅう大学誘致の会と共に開催したもの。

しかしナゼお寺で？

「釈迦院の住職がドローンレーサーでもあり、お寺として町づくりに何か協力できないかとお考えになり、行われております。また、通常では行えないところを飛ばすということに付加価値を見出しています」

お寺での開催には、当初反対的な意見もあったそうだが、、、

「最近は地域の方にもご理解をいただいております。また、ファンからは「絶対次回も来る」、「今回は行けなかったが次は行くので開催してほしい」という声をいただいています」

ちなみに釈迦院の住職は理系で電気工学に詳しく、ドローンの理解と普及のため毎週練習会を主催しているという。

府中市では、今年もドローンイベントを開催予定。「ドローンが当たり前に活躍するまち」の実現は、もうそこまできている。

若者の地元離れや高齢化による人口減少は、全国の地方自治体が抱える問題の一つ。しかしそんな時こそ、改めて故郷を見直し、進化を遂げる絶好のチャンスかもしれない。他では真似できない地元ならではの取り組みが、ニッポンを元気にする源となることだろう。

文/太田ポーシャ