2.日鉄興和不動産―新たな顧客体験を提供する常設マンションサロン
幅広く不動産事業を行う日鉄興和不動産株式会社が、分譲マンション「LIVIO」ブランドの常設マンションサロンを2023年3月10日、東京・品川にオープンさせた。
その名も「LIVIO Life Design! SALON(リビオライフデザインサロン)」。新築分譲マンションLIVIO全物件の案内、入居後サポートなどを、OMOにより新たな顧客体験を提供しながら発信する拠点だ。
同社はすでに2021年7月にはマンションのオンラインストア「sumune」サービスをローンチ。2021年9月には、同サロンの前身である「LIVIO Life Design! SALON上野」をオープンさせている。
今回のサロン新設について、住宅事業本部 販売統括部兼リビオライフデザイン総研室 チーフマネージャーの冨田雄也氏がインタビューに応じた。
●開設背景
「コロナ禍を受け、販売がオンライン化したなかで、お客様から、『マンションを購入する際には大きいお買い物であるからこそリアルな体感をしたい、もしくは体感しないと不安』というお声が多くありました。そこで単純にコロナ以前の手法へ戻すのではなく、オンラインとオフラインそれぞれの良さを活かした購買体験をご提供するに至りました」
●OMOの仕組み
「これまでのマンションのモデルルームを集約し、首都圏の中小規模物件は基本的に本サロンで販売します。間取りや立地、設備仕様や使い勝手、質感、対面で顔を合わせてのご相談をしていただくに際して、デジタル技術も活用しリアルならではの良さを追求しました。
購買時のみでなく、ご入居後のサポートや調査、研究、商品開発を行う社内シンクタンクである『リビオライフデザイン総研』のリアルな活動拠点として、実証実験やワークショップ、発信活動も実施します」
サロン内では、1.3面大型LEDパネルを用いた「リアルサイズスクリーン」で実際の広さや家具レイアウトをマンション完成前に実寸で体感できる。また160インチの大型プライベートシアター「ライフデザインシアター」では、マンション建設地周辺やアプローチの没入体感が可能だ。
「ライフデザインシアター」
その他、実際の間取りを確認できるサンプルルームや、リラックスできる相談空間も用意されている。顧客は体験や相談のためにサロンへ訪れ、手続きなどはオンラインで行える。
この事例は、ただ単にマンション購買のオンライン化ではなく、オンラインとオフラインを行き来することでより購買体験が有意義なものとなる点が新しいと言える。
楽しみながら購買できる点は、今の時代ニーズに合っているように思える。