新卒・若手社員の“秘めた本音”…やりたい仕事であれば休日出勤や残業をしてもいい
一方で上司側は、新卒・若手社員をどのように見ているのだろうか。上司から見て新卒・若手社員は「仕事」と「プライベート」のどちらを重視していると感じるかについて尋ねたところ、「仕事を重視していると感じる」(「どちらかと言えば仕事を重視していると感じる」も含む)が36.0%、「プライベートを重視していると感じる」(「どちらかと言えばプライベートを重視していると感じる」も含む)が64.0%という結果で、前問での新卒・若手社員側の意見と相違はないようだった。
Q5. 【上司】あなたが新卒・若手社員に対して感じること・思うことをお答えください。
(単数回答、n=150)
次に、新卒・若手社員は、働き方や上司の接し方について“してほしいこと/してもよいこと”といった“秘めた本音”はあるのだろうか。
会社での働き方・上司の接し方について、あてはまる項目はあるか聞いたところ、「やりたい仕事であれば休日出勤などしてもよい」が20.7%、「やりたい仕事であれば残業してもよい」が19.3%という意見が上位に挙がった。
Q4で、新卒・若手社員はプライベート重視派が多いことが判明したが、“やりたい仕事であれば”という条件が付くことで、必ずしも“休日は働きたくない” “残業したくない”という訳ではないようだ。
このことから、今の新卒・若手社員は、仕事に対する意欲が著しく低いとは言えないだろう。
Q6. 【新卒・若手社員】あなたがお勤めの会社での働き方、上司の接し方についてあてはまるものをお答えください。(複数回答、n=150)
上司側は新卒・若手社員をこう見ている…新卒・若手社員の“秘めた本音”とは真逆の結果に
前問のQ6では、新卒・若手社員は「やりたい仕事であれば休日出勤や残業をしてもよい」といった回答が上位に挙がったが、それに対し上司側は、新卒・若手社員のことをどのように見ているのだろうか。
「新卒・若手社員が感じているであろうこと」について聞くと、「定時で帰してほしい」が33.3%、「休日出勤はしたくない」が28.7%で上位に挙がった。新卒・若手社員の“秘めた本音” 「やりたい仕事であれば休日出勤や残業してもよい」といった意見とは逆の結果となった。
双方の意見が合致していたのは“飲み会”についてで、新卒・若手社員が「もっと飲みに誘ってほしい」が3.3%だったのに対し、上司側も「飲み会に参加したくない(と新卒・若手社員は思っている)」が25.3%となった。
Q7. 【上司】新卒・若手社員が感じているであろうと思うことをお答えください。(複数回答、n=150)
次に、働き方としてスタンダードになりつつあるリモートワークについての意見も聞いた。
出社とリモートワーク、どちらがよいか新卒・若手社員と上司の双方に聞くと、新卒・若手社員は、出社派(「どちらかと言えば出社がよい」を含む)が52.0%、リモートワーク派(「どちらかと言えばリモートワークがよい」を含む)が48.0%だったのに対し、上司は出社派58.7%(「どちらかと言えば出社がよい」を含む)、リモートワーク派41.3%(「どちらかと言えばリモートワークがよい」を含む)という結果に。
新卒・若手社員、上司ともに出社派の方が多いようだが、上司側がやや出社派が多いという結果だった。
Q8. あなたは出社での勤務と、リモートでの勤務とではどちらがよいですか。(単数回答、新卒・若手社員n=150、上司n=150)
新卒・若手社員に対してハラスメントを気にして業務依頼、指摘などしにくいと感じる人は52.0%にものぼる
新卒・若手社員に対して、昨今取りざたされている“ハラスメント”を気にして、業務依頼、指摘などしにくいと感じることがあるか上司に聞いたところ、52.0%の人が「そう思うことがある」と回答した。
Q9. 【上司】あなたは新卒・若手社員に対して、“ハラスメントに当たるのでは?”と気になって業務依頼、指摘などしにくいと感じることはありますか。(単数回答、n=150)
ではどんなことに、“ハラスメントに当たるのでは?”と思うのだろうか。その具体的なエピソードを自由回答で聞いた。
【“ハラスメントに当たるのでは?”感じたエピソード】
・(オンラインミーティングで)顔出しを希望したらハラスメントになると思って、部下のプライバシーを守るためにミュートでの会議の参加を認めました。(24歳女性)
・字が汚くて読めないことがある後輩がいるのだが、本人は真剣に書いてその字なので、もう少し綺麗に書いてと言ったらパワハラになると思い、言えなかった。(25歳女性)
・暇を持て余してそうな後輩に雑務を頼みたいが、忙しいと言われ、無理して頼むとハラスメントになると思うと何も言えない。(28歳女性)
・部下への注意の時にここまで言ったらハラスメントになると思い、思っている事の半分もいえない。(48歳男性)
面と向かって話すことで解決できそうなことでも、新卒・若手社員の顔色をうかがい、躊躇してしまう上司も少なくないようだ。
<調査概要>
調査機関 :株式会社識学
調査対象 :全国の従業員数10名以上の企業に勤める20歳~59歳の男女の会社員
20代の新卒入社3年未満の若手社員/新卒・若手社員を教育する立場にある上司
有効回答数:300サンプル(20代の新卒入社3年未満の若手社員:150名/上司:150名)
調査期間 :2023年3月6日(月)~7日(火)
調査方法 :インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入している。そのため、数字の合計が100%とならない場合がある。
出典元:株式会社識学
構成/こじへい