人間関係がめんどくさいと感じることは誰でも一度ぐらいあるのではないでしょうか。特に職場では自分と合わない人とのつき合いもあり、さらに簡単に人間関係を切ることができないので、余計にめんどうだと感じる人が多いようです。
仕事だから割り切ればいいと周囲から言われることもありますが、実際にどう割り切って付き合えばいいのか、わからないですよね。今回は、そんな方々に向けて、人間関係がめんどくさいと感じてしまう原因や、職場でうまく気持ちを切り替える方法をご紹介していきます。
人間関係がめんどくさくなる原因は?
すべての人間関係がスムーズだと言い切れる人はほとんどいないでしょう。つまり、人間関係は人それぞれ感じ方はありますが、基本めんどうなものなのです。まずは、人間関係がめんどうだと感じる原因を解説していきます。
1.我慢が必要な機会が多い
職場での人間関係がめんどうだと感じる原因の1つとして、我慢させられる機会が多いことが挙げられます。職場という環境は、気が合うから付き合っているわけではなく、まったく異なる価値観を持っている人たちの集まりです。また、友人のようにフラットな関係性ではなく、役職などで前提として気を遣う(我慢する)相手も多いでしょう。
そんな環境の中で発生する我慢を続けている人には、「他人に嫌われたくない」「周囲と揉めたくない」という思いがあります。
我慢はネガティブなストレスとなって、心に負担を与えます。人間関係をめんどうだと感じるのは、そんなストレスから自分を守るために出た、心のサインの可能性があります。ストレスの原因から無意識のうちに離れようとしてしまっているのかもしれません。
2.「他人を自分の思い通りに動かしたい」という願望がある
1.の 「他人に嫌われたくない」とはまったく逆の心理、「他人を思い通りに動かしたい」という願望を持つ人も人間関係がめんどうになりがちです。
このタイプは人の目を必要以上に気にします。周囲の人が関係ない話をしていても、自分の悪口を言われていると不安になります。つまり、本心は自分に自信がないのです。それを補うために、周囲から人が離れていかないように自分の思い通りに他人をコントロールしようとしてしまっている状態です。
しかし、他人をコントロールなんて不可能です。思い通りにいかないことがストレスになり、それが人間関係がめんどうくさいと感じている原因となってしまっています。
3.「多数派の意見が正しい」という価値観を持っている
このタイプは「多数派の意見が正しい」という価値観を持っています。その心理には、「周囲に人がいることが普通」「1人ぼっちは寂しい」という思い込みがあります。
周囲から仲間外れにされることを怖れがゆえに、必要以上に周囲の空気を読んで行動してしまいます。それがストレスになり、人間関係を築いていくことを億劫にさせているのです。
職場で人間関係がめんどうくさいと感じたときの切り替え方3選
人間関係がめんどうくさいと感じる原因や心理の次に、職場のような断ち切れない人間関係を、「めんどうくさい」から「気にしない」にうまく切り替える方法をお伝えします。
1.他人と自分を分けて考える
まず、他人と自分のできることを切り分けることです。「自分のできること」とは「自分がコントロールできること」を指します。よって、「他人のできること」とは「自分ではコントロールできないこと」になります。
原因の項目で、「他人に嫌われたくない」「他人を支配したい」という願望がある人が人間関係がめんどうくさいと感じることが多いとお伝えしましたが、これらはどれも他人の感情や気持ちが関係しているものとなります。つまり、自分ではコントロールできないものなのです。「自分が我慢すれば他人から嫌われることはない」というのもただの期待に過ぎず、他人の本当の気持ちを完璧に理解する術などありません。
そう考えると、その無理は無駄な努力だと思いませんか。もちろん職場ではある程度の協調性は必要ですが、過度なストレス状態になり、人間関係がめんどうくさいとまで追い詰められる必要はありません。他人の気持ちは他人のものと割り切る気持ちが大切です。
2.全員に好かれようとしない
まったく同じ価値観を持つ人間など、まず存在しません。常に好きな料理の上位にあるカレーライスでさえ、嫌いだと言う人もいるのです。そのくらい、全員に好かれることなど不可能だと割り切ることも必要です。
全員から好かれようという思いを持つ人は、常に人から嫌われる不安が続きます。その不安を解消するために次の行動を起こし、それが本来の自分を押し殺す行動へとつながります。
不安を解消するための行動ではなく、自分が楽しく思うこと、興味があることに対して行動に切り替えることで、人間関係はずっと楽に感じられます。
3.周りと違う自分を受け入れる
原因で「多数派の意見が正しい」という価値観を持っているとお伝えした通り、「周りと違う自分」になりたくないという気持ちを持っている人は、自分の気持ちを抑え込んでまで他人に合わせようとします。
そこで考えてほしいのが、他人と違う自分であることで何かネガティブなことが実際に起こったどうかということ。他人と違う自分を不安に思うとき、「嫌われるかもしれない」、「揉めるかもしれない」など、ほとんどが未来に起こるかもしれない、実際には起こっていない不安の場合があります。
あなたが抱える不安が実際に起こったことなのか、想像に過ぎないのかを認識することで、周りと違う自分を強く拒否する気持ちを減らしていくことができます。
文・構成/藤野綾子