「漫画」を使って広告やマーケティングなどの情報発信をする方法が近年、よく採用されている。しかし、従来のよくある漫画では、ありきたりで引きも薄いところがある。
そこで今回は、韓国発祥の縦読みフルカラー漫画「WEBTOON(ウェブトゥーン)」とシンセフィクションという新しいフィクションのジャンルを組み合わせて作ったビジネス漫画に焦点を当てて紹介する。
宇宙産業を題材にした漫画の連載がスタート
北海道大樹町では現在、民間のベンチャーロケット会社がロケットを開発し、人々のロマンが現実化されようとしている。その北海道大樹町を舞台に、物語は繰り広げられる。
大学生の天野天は、就職活動終了を間近に控え、幼い頃からのロケットへの憧れを諦めかけていた。大学生活として最後となるペットボトルロケット打ち上げの日、ある男と出会う。のちに、それが天の運命を大きく変えていくのだった。
これは実話に基づく物語である。
2023年2月7日から、この漫画作品「晴天のデルタブイ」の連載がLINE漫画とebookjapanでスタートした。ロケットを開発し、宇宙に到達させるまでの波乱万丈な道のりを、挫折と挑戦の群像劇として描かれる。「シリーズ1」は全30話を予定している。
原作は「左ききのエレン」などの著者として知られる、かっぴー氏が担っている。
WEBTOONを採用した理由
この漫画を企画したのは、広告関連事業に加え、衛星を活用してあらゆる産業を効率化する「SX」(スペーストランスフォーメーション)を推進しているINCLUSIVE株式会社と、その子会社であり、「すべての漫画を、すべての人に。」をミッションに掲げるデジタルコミックエージェンシー株式会社ナンバーナインのWEBTOON制作スタジオ「Studio No.9」だ。
ナンバーナインの代表取締役社長 小林琢磨氏に「晴天のデルタブイ」の企画制作について、ビジネス漫画という観点から話を聞いた。
今回、スマートフォンで読むことに最適化された韓国発祥の漫画様式WEBTOONを採用した理由とは?
「弊社は国内大手のWEBTOON制作スタジオを所有し、WEBTOON制作のノウハウも国内有数にたまっていることから、従来の横読み漫画ではなく、現在非常に注目されているWEBTOONでの制作を決めました。
またWEBTOONのメリットはスマホに特化した縦型フルカラーな部分であり、宇宙に飛び立つロケットと縦読みの相性が良いと思った部分も大きいです」
WEBTOONは、すでに日本でもいくつかヒット作品を生んでいるが、まだまだ数は少ない。昨今は、WEBTOONの日本オリジナル作品のデビューに期待がされている。ビジネス漫画の手法としては、「注目を集める」という意味では向いているのかもしれない。