“あおり運転”されたことのある人は7割
一方、“あおり運転”をされたことが「ある」と答えたのは、7割以上となった。
“あおり運転”に対してどう対処したかを複数回答で尋ねたところ、「道を譲った」(36.7%)が最も多く、「何もしなかった」(29.2%)、「スマホやドライブレコーダーで記録した」(8.7%)と続いた。
“あおり運転”をされたときに、記録があれば重要な証拠となる。「ドライブレコーダーを取り付けていますか」と尋ねたところ、6割が「はい」と回答した。
“あおり運転”された人の声
“あおり運転”をされたことが「ある」と回答した人に、自由回答で具体的なエピソードについて尋ねたところ、以下のようなコメントが寄せられた(抜粋)。
・「後ろから車間距離を詰められ、更にハイビームで運転をしにくくされたため、路肩に寄って道を譲ったら、抜かすタイミングで私の車に対し、睨みつけながら何かを叫んでいた」(愛知県、30代女性)
・「高速道路でのことが多い気がします。どいてほしくて左右に車体を動かしたり、パッシングをされたりしました。避けようにも前も詰まっていることも多く、見えていないのかと思うこともあります」(東京都、50代女性)
・「高速道路で追い越し車線を走行中、後ろから近づかれて法定速度以上のスピードを出さなければいけなくなった。“あおり運転”しないので恐怖を感じた」(大阪府、50代男性)
・「車間距離を詰められ、ハイビームを着けたり消したりする迷惑行為をされた事があります。軽自動車で初心者マークをつけていたせいで、標的にされやすいように感じました」(静岡県、30代女性)
・「片側一車線の道路で法定速度にて走行中に、何度もスピードを上げて詰められたり離されたりを繰り返しされました。停車する路肩も無かった為、逆にゆっくり走行し脇道へ逃げ込みました」(福島県、30代女性)
高速道路や片側一車線の法定速度で走行していると、猛スピードで迫られて怖い思いをしたという声が複数寄せられた。また、軽自動車や初心者マークをつけていると“あおり運転”をされるという意見もあった。
■交通問題に詳しい西村 裕一弁護士のコメント
「“あおり運転”をしたことを後悔していない」という回答が半数を超えていることに驚きました。おそらく後悔されていない方は実際に“あおり運転”をしたのが法改正前であったり、具体的な処罰を受けていないのではないかと思われます。
“あおり運転”の罰則は重く、3年から5年の懲役または50万円から100万円以下の罰金となっています。加えて、免許は一発で取消しとなり(違反点数25点もしくは35点)、2年もしくは3年間免許の再取得ができないことになっています。
「相手の方が悪い」というコメントも散見されますが、だからといって“あおり運転”にならない、罪に問われないということではありません。
ドライブレコーダーの普及率がこのアンケートでも60%を超えており、映像として残ることで、あおり運転が後日客観的に摘発できるケースも増えてきていますし、社会問題として関心もあがっています。
「ここで譲るのが普通」、「スピードが遅すぎる」といった運転感覚は、ドライバーそれぞれによって変わってくる側面があります。「指導してやる」などと思わずに、くれぐれも、“あおり運転”をしないようにしていただきたいと思います。
【調査概要】
調査機関:自社調査(弁護士ドットコム一般会員を対象)
調査方法:弁護士ドットコム一般会員を対象にウェブアンケートを実施
調査対象:弁護士ドットコムの一般会員で回答が得られた1325名のうち、運転免許証を持っている1241名(男性842名、女性392名、その他7名)から回答が得られた
調査期間:2023年3月1日〜3月7日
構成/土屋嘉久