日本の魚介類の自給率は57%、今後はさらに減少の危機
日本は世界有数の水産物消費国。だが今、その水産資源が危機に瀕している。温暖化による海洋環境の劇的な変化に加え、漁業者の高齢化による離職などが加わり、水産資源が長期的な減少傾向にあるのだ。
下のグラフを見ると漁業・養殖業の生産量は、昭和59年(1984年)には約1282万トンあったが、令和2年(2020年)には423万トンと、1/3程度にまで減少している。今、あたりまえのように食べている魚も、近い将来は口に入らなくなる可能性があるという。
※「令和3年度 水産白書」(水産庁)より転載
そこで注目されているのが、魚の代替食品。2021年の代替たんぱく質の世界の市場規模は、出荷額ベースの推計で4,861億円、2030年にはおよそ8倍となる3兆3,113億円に拡大すると予測されている(※)。そして今、肉よりもさらに切迫した状況といえる魚介の代替食品が、次々に登場しているのだ。
※出典:矢野経済研究所 「代替タンパク質(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)世界市場に関する調査(2022年)」)
味も食感もツナそのもの…【NEXTツナ1.0】(ネクストミーツ)
「焼肉ライク」の代替肉「NEXTカルビ」で世間を驚かせたネクストミーツ株式会社が開発したのが、同じく大豆を主原料とするツナ代替食品「NEXTツナ1.0」。2021年10月6日から、自社公式オンラインショップなどでの販売を開始している。
ネクストミーツが販売している植物性原料100%の「NEXTツナ1.0(90g)」5缶セット1950円。公式オンラインショップほか、「ライフ セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店」、「カンダフル エキュートエディション新橋店」で購入可能。
ネクストミーツ株式会社CMO 牧野勇也氏はこの商品を開発した背景について「地球温暖化を少しでも抑えるべく代替肉の開発・販売を始めましたが、海産物がその温暖化の影響を受けて今後ますます手に入りにくくなるおそれがあり、海産物の分野においても新しい選択肢としてあってもいいのでは、との考えから着手をしました」と語る。
代替肉「NEXTカルビ」はまさに肉そのものの味わいで、かつ通常の肉よりもやわらかく、「むしろこっちのほうがいいと感じる完成度の高さだった。しかし代替肉では高い技術力を持つ同社も、ツナでは肉とはまた違ったほぐれ感が必要であり、食感の再現に苦労したとのこと。また大豆臭さを抑えつつツナのような風味が感じられるように、味付けを何度も試してベストな味付けを模索したそうだ。
ちなみに筆者は2022年6月に行われた「オイシックス・ラ・大地」の新商品発表会でこの「NEXTツナ1.0」を試食する機会があったが、食感も味わいも、いつも食べているツナとの違いが全く分からないレベルだった。
2022年6月に行われた「オイシックス・ラ・大地」の新商品発表会で紹介された「NEXTツナ1.0」。
味も食感もツナそのものだった。