健康支援に携わる経営層、担当者にとっての課題
全体の約8割が健康支援に関する項目に課題を感じている
健康施策に課題はないと回答した割合は全体の約2割にとどまり、約8割が健康支援に関する項目に課題を感じていることがわかった。
具体的には「健康経営施策の実施・運営」(23.7%)、「施策のマンネリ化」(23.0%)、「健康経営施策の立案」(22.0%)と続く結果となった。
各課題において従業員規模で比較をすると、従業員規模300名以上の企業の方が300名未満のよりも全体的に高いスコアになっており、従業員規模の大きい企業の方が課題を感じていることがわかった。
従業員と健康支援
健康支援の利用状況は各施策で差があり、「長時間労働対策」の満足度は半数程度
従業員の健康支援の利用状況は、「定期健康受診促進」の利用率が96.6%と最も高い。
一方、「ウォーキングイベントの開催」や「メンタルケア」は利用率が半数程度にとどまっていることから、各施策の利用状況には差があることがわかった。
満足度においては「長時間労働対策」は50.6%、「ストレスチェックの実施」は43.3%と半数程度にとどまった。
従業員の健康意識は高い(やや高いを含む)と回答した割合が約半数程度、健康支援の利用率・満足度は項目別では4割程度の回答も見られることから、個人の健康意識の向上及び現在取り組んでいる施策においては、今後改善の余地がある。
従業員の健康意識と健康支援にギャップ。あったらよいと思う健康支援は様々な具体的意見が挙がった
あったらよいと思うものは「定期健診受診促進」(32.0%)、「ストレスチェックの実施」(21.3%)、「長時間労働対策」(21.3%)、「メンタルケア」(19.0%)の順で高くなった。
具体的には、「健康の知識がないので、専門の方を呼んでお話を聞く機会を設けてほしい」、「健康アプリとポイント導入してほしい」など様々な意見が挙がった。
具体的に健康支援の取り組みとしてあったらよいと思うものを自由回答形式にて尋ねたところ、次のような意見が寄せられた。
・定期健診のオプションも無料にして欲しい。(神奈川県/62歳)
・健康の知識がないので、専門の方を呼んでお話を聞く機会を設けてほしい。(東京都/32歳)
・健康アプリとポイント導入して、特典がもらえればモチベーションにつながる。(大阪府/55歳)
・睡眠の質やストレスなど、精神的な健康の支援を高めることをしてほしい。(神奈川県/56歳)
・社員の健康意識を高め、同時に働き方や職場環境の改善を図る。(神奈川県/61歳)
健康支援の内容や満足度が、従業員のエンゲージメントにも影響を及ぼすと推測
勤め先の満足度評価は10点満点で平均6.0点。「健康支援の取り組み※」において、勤め先の「健康支援がないと感じる」企業は満足度平均5.1点、「健康支援があると感じる」企業は満足度平均7.3点と2.2ポイントの差となった。健康支援の有無がエンゲージメント
につながることが推測できる結果となった。
※「健康支援の取り組み」は、0~6点を「健康支援がないと感じる」、7~10点を「健康支援があると感じる」として集計
<調査概要>
対象:全国20歳~69歳の男女 健康経営に携わる経営層(役員以上)300名、人事等の健康経営に携わる部門担当者300名、健康支援を受ける従業員300名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2023年1月16日(月)~1月20日(金)
※四捨五入のため、合計値が必ずしも一致しない場合がある
出典元:キリンホールディングス株式会社
構成/こじへい