最近話題の「人的資本経営」という言葉。あなたは正確に理解しているのだろうか?
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方を指す。
岸田政権の「新しい資本主義」のもと、この「人的資本」への取り組みが加速しており、「人への投資」を中核に据えた成長戦略を検討する企業が増えつつある。
こうした中、ビジネスコーチはこのほど、全国の従業員数300人以上の企業に勤める20歳~69歳のミドルマネジメント(部長・課長)1,000名(全回答者)を対象に「人的資本経営」に関する認知率および実態調査を実施し、その結果を発表した。
人的資本経営の内容(意味)まで知っている人は非常に少ない
全回答者1,000名に「『人的資本経営』を知っていたか」と質問したところ、「内容まで知っていた」が27.9%、「言葉を聞いたことがある程度」が40.4%となり、合算した認知率は68.3%となった。
役職別に見ると、部長職で「内容まで知っていた」と回答した人は38.4%となった。
「勤務先は人的資本経営に関心を持っている」という人は70%超
全回答者1,000名に「勤務先は人的資本経営に関心を持っているか」と質問したところ、「持っている」は71.0%、「持っていない」は29.0%となった。
従業員規模別にみると、「持っている」と回答した人の割合は、300人~1,000人未満では65.4%、1,000人~5,000人未満では70.8%、5,000人以上では75.6%と、規模の大きい企業ほど高くなった。
勤務先は人的資本経営に取り組んでいる」という人は49%
全回答者1,000名に「勤務先は人的資本経営に取り組んでいるか」と聞いたところ、「取り組んでいる」は49.3%、「取り組んでいない」は50.7%となった。
従業員規模別にみると、「取り組んでいる」と回答した人の割合は、300人~1,000人未満では42.9%、1,000人~5,000人未満では46.8%と半数未満に留まったのに対し、5,000人以上では56.6%と半数を超えた。