YouTubeは海外でも大反響!目指すは『せっかく買うなら有隣堂』
チャンネルリニューアルからわずか3年。今や日本だけでなく、海外からのお客さんもお店を訪れるという。
「最初は、社内からも冷めた目で見られている感じでしたが、登録者数が増えて、メディアにも取り上げられることが増えてくるにつれ、「あれ?もしかしてうちのYouTube、ちょっと話題…?」という感じに変わっていったように思います」
「実際にYouTubeを見て、北海道や九州、韓国からご来店くださるお客様も。店頭にいる出演スタッフに「YouTube見てます」と声をかけて下さるお客様もいらっしゃいます」
さらに、チャンネル人気と共に活動の幅も広がっている。MCのR.B.ブッコローのオリジナルグッズ販売や、『老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界』という本の出版など、それらはまさに成功の証。社内の雰囲気も変わり、社員のモチベーションもUPしているとか。
「YouTubeを始め、様々な活動が弊社の売上に繋がっていることもあり、書店の現場スタッフの実感も増してきているように思えます。しかし、YouTubeの一番の目的は直近の「売上」ではなく、「面白い動画を作って、有隣堂のファンになってもらう」ということです」
「チャンネルをきっかけに「有隣堂」を知ってもらい、好きになってもらえればといいなと思っています。その上で、書籍はどこで買っても価格が一緒だけど、「せっかくなら有隣堂で買ってやるか」と思っていただけるとありがたいです」
これから、有隣堂は何処に向かい、どんなことを仕掛けようと思っているのか?期待は高まる。
「弊社は、これからも「書店の再定義」という言葉を掲げ、書籍以外のモノ・コト・トキの力を借りて、書籍を売り続けていこうと思っています。また、書籍を販売してきた信用力で書籍以外のモノ・コト・トキを売っていくという2つの方向性で様々なことに挑戦してきています」
最後にこんな質問をしてみた。
『街の本屋・紙の本の魅力を教えてください』
「街の本屋の魅力は、お客様がまだ出会っていない商品との出会いを仲介することができることだと思います。本屋をぐるっと回るだけで、今まで興味がなかったような本が目に留まり、新しい世界の扉が開けるかもしれませんし、トークショーやサイン会などリアルイベントでの出会いもあります。そこがリアル書店、街の本屋の魅力だと思っています」
「紙の本の魅力は、装丁に込められた思いや物としての実在感が感じられること。また、自分の本棚にこれまでに読んできた本が並んでいる満足感は、電子書籍ではなかなか得られないものだと思います」
「あ、ちなみに、それらの魅力については、「【芸人・作家】又吉直樹の世界」の動画で又吉さんが語ってくださっていますので、ぜひご覧ください!
取材協力
株式会社 有隣堂
公式YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」
文/太田ポーシャ