「犬の道」になっていないか、第三者の目を活用する
「実際、問題や不安があった時、自分では「こうやったら解決できるだろう」と思っても、実はそのアプローチが間違っていることは多いです。
よく「犬の道」へと迷い込んでいませんか?と聞くのですが、犬の道とは「労力の割に解決しない道」のこと。Yahoo!JapanのCFO安宅和人氏の著書「イシューからはじめよ」(英治出版)に登場する概念で、ひたすらムダで遠回りな道のことです。
例えば問題に対して、「今、我慢すれば良いのでは」「私の努力が足りないからでは」「もう少し話し合ってみれば良いのでは」など、いろいろな解決方法があるでしょう。自分では正しいと思っていても、答えとしてはズレているものも多いのです。でも、人間ですから、それは仕方がありません。そういうものなのです。
僕も自分自身の力だけで、正しい解決方法を導くことは難しくて、他人からいろいろアドバイスを受けた方が自分の長所・短所がよくわかります。加えて、何度言われても、意外と本人は間違いに気づかないものです。
ですから、自分自身で何とかしようとするより、ドクターなど利害関係のない第三者からのアドバイスを受けて、その都度、軌道修正していけば良いかと思います」
性格・能力<技術の問題
「そもそも問題や不安は、性格や能力(性格が悪いから、頭が悪いから、甘えているから)の話ではまったくありません。単純に「技術」の問題です。
問題や不安をどう可視化して解決していくか、というのは「技術」の話で、単にそれを教わっていないだけなのです。教育の問題なのか、両親や勉強のせいなのか、理由はわかりませんが、とにかく技術がないのです。
ですから、新入社員のみなさんは、これから身につけてもらえればと思います。身につければ洗練されていきます。僕も日々努力しています」。