二番目に大事な問題・不安の可視化
続いてうつっぽいと感じた時、2番目に大事ことは「問題や不安の可視化」だと益田先生は主張している。実際、先生の臨床的な体感として、問題を可視化することで解決できた人が95%くらいの割合でいるとか。かなり高い確率である。以下、先生の言葉をそのまま紹介しよう。
「何が問題かが明らかになればアドバイスもできますし、薬を使うこともできます。福祉制度の利用をすすめる、なども可能です。あなたが苦しんでいる問題や不安は何か、を知ることがとても大切です。
ではどうすれば可視化できるか、です。よく患者さんに日記を書くことを勧める先生は多いです。日記を書くことには意味があり、効果は高いのですが、私としては日記よりもっと良いやり方を推奨します。それは『認知行動療法的な書き方(注1)』です。
「日記を書きましょう、とお願いすると、朝起きて歯を磨いていたら頭痛がして気分が悪かった……のように事実の羅列とそれに基づく気分をつらつらと書きがちです。認知療法的な書き方は、『事実→認知→感情』を書きます。
まず事実を書き、それ対して自分はどう思ったかを書き、感情まで書くというやり方です。
日記の様に自分の気持ちをつらつらと書くと、感情の質の世界、アートな世界に入り込んでしまって、他者共有や問題解決の方向に行きづらくなってしまいます。ですから、認知行動療法的な書き方の方が良いです。
人によって好みもありますが、市販のワークブックもありますし僕もHPに無料のワークブックを置いていますので、問題を可視化することをしてもらえればと思います」。
(注1)益田先生のYouTubeチャンネルでも紹介された認知行動療法的な書き方の参考例は下記の通り。